狭小住宅とは?建てる前に知っておきたいメリットやデメリットを解説

2023.01.20

注文住宅を建てようとしている人なら一度は「狭小住宅」を耳にしたことがあるのではないでしょうか。とはいえ、その名前のとおり小さな家のことから、気になるものの選択肢に入れようかどうか悩んでいる人も多いはず。そこで今回は、狭小住宅についてご紹介します。狭小住宅の知識がないけど気になる人はぜひ参考にしてみてください。

狭小住宅とはどんな家?

狭小住宅には明確な定義はありませんが、一般的に50㎡(15坪)以下の土地に建てられた住宅を指します。

狭小住宅が見られるのは地価が高い都心部が多いですが、都市部以外の変形地狭い土地にも建てられています。これは日本の土地事情が由来しています。日本で住むことができる土地はなんと国土の30%以下。そのため、住宅にあまり適さない土地にも家を建てることは珍しくありません。しかし、これらの土地は安く販売されているので都心部に住みたい人や、予算を抑えて家を建てたい人に人気を集めています。

特徴は敷地ギリギリまで建てられていること3階建てが多いですが、床面積を増やすために地下室を設けられていることも多いです。

狭小住宅のメリット

変形地や限られた土地に建てると聞くと、メリットがあまりないように感じるかもしれません。しかし、狭小住宅にももちろんメリットがあります。そこでここでは、狭小住宅のメリットをご紹介します。

狭小住宅のメリット1:都心部に建てられる 

狭小地でも都心部に建てれば日々の生活がグッと便利になります。
都心部に建てれば電車やバスなど公共機関をすぐに利用できるので交通アクセスがよく商業施設も集まっているので日々の買い物も苦労しません。生活におけるストレスが軽減できると言えるでしょう。また、これらの理由から自動車を持つ必要性も薄くなるので、自動車を手放す選択ができるのもメリットと言えます。そうすれば結果的に自動車税や維持費などをカットすることも可能です。

狭小住宅のメリット2:ローコストで建てられる 

予算を抑えて家を建てたい人にもおすすめです。狭小地は住宅にあまり適していない土地なので一般的な土地よりも安く設定されています。そのため、土地代を抑えられますし、小さな住宅なので建築費用も抑えられます。ローコストで注文住宅を建てたい人の選択肢の一つに入るのが狭小住宅なのです。

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狭小住宅のメリット3:税金や生活費のコストカットが可能

住宅にかかる税金には固定資産税都市計画税があります。これらは自治体によって異なることに加えて、さらに一般住宅用地小規模住宅用地で課税方法が変わります。狭小住宅は後者に該当するので、一般的な注文住宅よりも税金を抑えられるのです。

また、入居後にかかる費用も抑えられます。小さな住宅なので光熱費も抑えられますし、修繕時にかかる費用も少なくなります。生活費、先々のメンテナンス費も抑えたい人にはピッタリと言えるでしょう。

狭小住宅のメリット4:家事の時短が可能に

限られた広さだからこそ、効率の良い家事動線の間取りにすることができます。また、日々のお掃除もラクになるのがメリット。大きな家は部屋数が多かったり一部屋が広かったりして掃除するのが大変ですが、狭小住宅なら部屋数が少ないので掃除時間を減らせます。また、目が届きやすいのですぐに片付けられて美観を保てたり、不具合のある箇所を見つけやすかったりするので修繕の遅延リスクが低くなると言えます。

狭小住宅のデメリット

メリットがあればもちろんデメリットもあります。狭小住宅のデメリットとはどのようなものが挙げられるのでしょうか。デメリットは次のとおりです。

狭小住宅のデメリット1:建築費が高くなるケースも

実は狭小住宅は面積を縦長に確保するため、坪単価が高くなります。加えて、建築する上で手間がかかるので人件費・建材輸送費がかかることも。
例えば、周りに住宅が立ち並んで道路の道幅が狭い場合、重機を入れられなかったり足場が組みにくかったりする分、人力で頼ることが多く手間がかかるからです。特に地下室を設ける場合、これが当てはまります。

狭小住宅のデメリット2:周辺の家との距離が近い

狭小住宅は隣の住宅同士が近いことが多いです。そのため、防音対策が必須。都市部に密集して建てられるという性質上避けられないことと言えるでしょう。また、採光・風通しが良くないことも。窓の位置を要注意しないと隣から丸見え…ということも起こりかねません。自分の家の音が漏れるだけでなく、隣の家の音が漏れることもあるので、周りの住宅のことも考えながらプランを考えましょう。

狭小住宅のデメリット3: 縦に長い家事動線

狭小住宅は床面積確保のため、縦に長くなり2階建て・3階建てはほとんどです。そのため、家事動線も長くなってしまいます。ですので、水回りはまとめたほうがおすすめです。洗濯機を置く洗面脱衣所とバルコニーを同じ階にするとスムーズになります。また、他にもバスルームと寝室を同じ階にするなどすると効率よく動けますし、プライバシーも守れます。動線は家事効率とプライバシーを考えましょう。

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狭小住宅で後悔しないために工夫したいポイント

後悔しない狭小住宅にするためにはいくつか工夫したいポイントがあります。ここでは5つご紹介します。

狭小住宅で後悔しないために工夫したいポイント1: 敷地に余裕を持った設計を

狭小地に建てるため敷地目一杯の大きさで設計しがちですが、余裕を持たないと前述した工事中の手間が増えるだけでなく、エアコン室外機の設置が難しくなったり、外壁などのメンテナンスが難しくなったりします。また、隣家との距離も狭くなるので防音などの観点でも余裕をも持たせるのが◯。先々の暮らしやすさやメンテナンスのしやすさを考慮して設計してみてください。

狭小住宅で後悔しないために工夫したいポイント2: 空間はなるべく区切らない

これは住宅全般に言えることですが、特に狭小住宅では気をつけたいポイントです。ドアや壁で仕切ってしまうと、空間に圧迫感が出てしまいます。できるだけ仕切りを少なくして解放感がある空間にしましょう。ここで注意なのが寝室などプライバシー空間。見られたくない空間以外はなるべく区切らないようにしましょう。

狭小住宅で後悔しないために工夫したいポイント3: 収納は工夫しよう

狭小地に建てるとなると難しいのが収納です。しかし、デッドスペースを活かした収納づくりをすると、限られた広さでも十分カバーできる収納になります。例えば階段下小上がりの下部分に収納を設ける、壁にニッチオープンタイプの収納を設けてみましょう。収納を工夫すれば家具を置かなくても済むのでスペースを広くとれます。

狭小住宅で後悔しないために工夫したいポイント4: 中庭をつくる

狭小住宅は周りの住宅と密集しているため、採光や風通しが悪くなります。それを回避するのにおすすめなのが中庭です。中庭から明るさを取り込めますし換気もできるのに加えて、諦めかけていたガーデニングを楽しめることも。とはいえ、広さは限られますが、ちょっとあるだけで広く見える視覚効果もあるのでおすすめです。

狭小住宅で後悔しないために工夫したいポイント5:地下室をつくる

地下室は狭小住宅の強い味方です。部屋数を増やしたくてもできない場合は、地下室がおすすめ。書斎や趣味部屋、または収納スペースとして活用するといいでしょう。地下室は工数が多く費用が高くなりますが、長期間で考えれば暮らしやすくなりますよ。家族が多い方や物が多くて収納場所に悩まれている方はぜひ検討してみてください。

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狭小住宅の価格はどれくらい?

ここまでご紹介した上で、実際に狭小住宅を建てるのにどれくらいの費用がかかるのか気になる人も多いでしょう。そこで、アンケートで「15坪以下の狭小住宅を建てるのにかかった費用」について聞いてみると、下記の回答になりました。

最も多かったのは「1,000万円〜1,499万円」。次いで多かったのは「1,500万円〜1,999万円」、そして「2,000万円〜2,499万円」と続きます。なかには1,000万未満に収まった人もいました。その一方で「3,000万円以上」という人も。

この結果から、狭小住宅はローコストで建てられることがわかりますが、デザインや設備にこだわったり地下室をつくったりすると高くなると考えられるでしょう。狭小住宅は何をこだわるかによって価格も変動することがわかったアンケートでした。

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まとめ

今回は狭小住宅のメリット・デメリットや実際にかかった費用、そして後悔しないために工夫したいポイントをご紹介しました。難しそうに思える狭小住宅も細分化して考えて、一つずつカバーすれば後悔しない家になりますよ。これから建てる人は今回ご紹介したことを参考にしてみてくださいね。