新築住宅の固定資産税は高い?減額方法や家屋調査について解説

2023.03.30

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注文住宅を建てるときに気になる一つが固定資産税。できる限り安く抑えたいですよね。
そこでこの記事では、これから新築住宅を建てようとしている方や固定資産税が高いと感じている方に向けて、以下のトピックをご紹介します。

・固定資産税の仕組みと計算方法
・一戸建てとマンションの固定資産税の相場
・固定資産税を安くするポイント

これから新築住宅を建てようとしている方だけでなく、今まさに注文住宅で家づくりをしている方もぜひ参考にしてみてください。



固定資産税とは:土地・建物に発生する税金(地方税)

固定資産税 高い

固定資産税は、土地・建物を所有する際に発生する地方税のことで、毎年1月1日時点で所有している家屋や土地に課されます。

固定資産税に土地や建物の「使用」の有無は関係ありません。所有しているかどうかがポイントなので、空き家や使っていない土地でも固定資産税は課せられます。

固定資産税の計算方法

固定資産税は「固定資産税評価額(課税標準額)」を元に算出されます。固定資産税評価額は自治体が設けた基準をもとに評価・確認した家屋や土地の値のことで、土地と家屋の計算方法は以下の通りです。

【土地】
固定資産税=固定資産税評価額(課税標準額)× 税率(標準税率:1.4%)

【家屋】
固定資産税= 課税台帳に登録されている価格 × 税率(標準税率:1.4%)

※税率は一般的に1.4%ですが、自治体が自由に決められることになっているので地域によっては変わる可能性もあります。

評価額は購入金額とは異なります。
4,000万円の注文住宅を建てたとしても、評価額まで4,000万円にはなりません。
購入金額の約5割から7割と言われおり、4,000万円の新築住宅ならば2,000万円〜2,800万円が目安となります。

固定資産税は毎年変動する

固定資産税は毎年金額が変わる変動制税金です。その理由は、固定資産税の計算に必要な「評価額」が変動するから。

評価額の変動は土地と家屋で異なります。

基本的に家は建築年数が経つほど評価額が下がりますが、土地の評価額は場合によっては上がることも。
土地は家屋のように経年劣化せず、周辺地域の地価や社会情勢によって価値が変わります。そのため土地の評価額も上下するのです。

地価が下がって固定資産税が安くなる可能性もありますが、一方で地価が高騰して固定資産税が増えることも十分起こりえます。この点は注意が必要です。

土地評価額に大きな変動がなければ、家屋の価値が下がるため基本的には毎年固定資産税の支払い金額は少なくなっていきます。

固定資産税を支払うタイミングと納税方法

固定資産税は1月1日時点で保有している物件に課税されるので、1月2日以降に注文住宅を建てた場合には同年に支払う必要はありません。翌年からの支払いになります。

固定資産税を支払うタイミング

固定資産税は地方税なので、支払うタイミングは住む場所によって異なります。
自分のエリアはいつなのかを知りたい場合は、各自治体HPや窓口などで確認しましょう。

固定資産税は毎年4~6月頃に納税通知書と振込用紙が郵送されます。
納税通知書には税額・期限、算定基準となった固定資産税評価額などが記載されています。

固定資産税の納税方法

固定資産税の納税方法は、分割払いと一括払いの2種類です。
分割払いの場合、年4回にわけて支払うことになります。トータルの納税額は変わらないので、ご自身の状況に合わせて選びましょう。

固定資産税の納付期限

固定資産税には納付期限が定められており、期限を過ぎると延滞金などのペナルティが課せられます。
また、納付期限を過ぎると分割払いができなくなります。

納付期限は市区町村によって異なるので、必ず各自治体で確認しておきましょう。

地域によっては都市計画税が必要な場合も

固定資産税だけでなく、地域によっては都市計画税も納めなければいけないこともあります。

都市計画税も地方税の一つで、公共事業や都市整備の費用として徴収される税金です。税率は地域によって異なりますが、最大税率は0.3%。
固定資産税の標準税率1.4%と合わせれば、最大1.7%分の税金となります。

都市計画税も固定資産税と同様に土地・家屋に対して課税され、評価額に応じて変わります。支払いは固定資産税と一緒に行います。

一戸建てとマンションの固定資産税の相場(平均額)

一戸建てとマンションの固定資産税の相場をそれぞれ見ていきましょう。

家屋の種類固定資産税の相場
一戸建て10~12万円
マンション8~10万円

一戸建ては家屋に土地価格が加わるため、マンションと比べて高くなります。

また、一戸建ては設備や建物構造によって税額が変動します。次の項では固定資産税が高くなる設備についても触れているので、参考にしてみてください。

新築住宅の固定資産税の算出する家屋調査

固定資産税 高い 家屋調査

新築住宅の固定資産税は、「家屋調査」によって算出されます。

家屋調査とは、地方行政が派遣した調査員により、新築住宅や増築した物件など新しい建物の評価額を算出する調査のこと。

家屋調査が行われるのは新築物件のみで、2年目以降は地価の変動や年数に応じた劣化を考慮し評価額が計算されます。

家屋調査は立ち会いが必要ですが、必ずしも所有者が立ち会わないといけないことはありません。
しかし、建築年などを調査員から聞かれますので、ある程度話せる人を立ち会い人にしてください。

所要時間は大体1時間と言われていますが、面積が広いと長くなる可能性もあります。

家屋調査の流れ:どこを見られる?

家屋調査は建物が経ってから1~3ヶ月程度で行われます。
調査時には以下の書類を用意しておきましょう。

  • ・認印
  • ・個人番号(マイナンバー)を確認できるもの
  • ・建築確認済証(建築確認申請書類一式・平面図・立面図・断面図等)
  • ・見積書および工事請負契約書
  • ・家屋の平面図(各階)の写し

家屋調査では外壁からなら内装まで隈なく見られ、構造も判断材料となります。

木造よりも鉄筋コンクリート造のほうが価値が高いと判断されます。
内装であれば床・壁・天井の資材、また資材の使用量など。設備では水回りやドアホン・モニタ・給湯器も!

固定資産税は住宅の資産価値を見られ、資産価値が大きいほど固定資産税は高くなります。

固定資産税が高くなる仕様・設備

資産価値を決める際に標準の仕様というものがあり、それよりも価値が大きくなると固定資産税も高くなります。

資産価値が大きいと判断されるのは豪華な内装や特殊な設備。
特殊な設備とは、通常の設備にプラスアルファの機能がついた設備で、下記のようなものがあげられます。

  • ・床暖房
  • ・埋め込み式エアコン
  • ・2階の浴室やトイレなど、2個以上ある水回り
  • ・一体型ソーラーパネル(太陽電池パネル)

トイレや洗面室が2個以上あると、一般的ではなく特殊と判断されます。
設備だけでなく、部屋数が多いことも固定資産税が高くなる要因の一つです。

家づくりは、建てる際の費用だけでなくランニングコストも気になるところです。固定資産税は毎年払わなくてはならないもの。

住宅会社で勧めてくるモノを安易に取り入れると後から徴収される税金の金額に驚いてしまうかもしれません。

上記のような仕様にするとランニングコストがUPすることを覚えておき、それでも必要な(ほしい)のかを考え、取り入れるか検討してみてください。

固定資産税が高い仕様の順番は?

次に、価値が高いと判断されるものを場所ごとにご紹介します。
注文住宅を建てる人は参考にしてみてください(左から順に価値が高いと判断されるもの)。

タイル > フローリング > 合成樹脂
玄関床タイル > モルタル
タイル > 塗り壁 > クロス
ベランダFRP防水 > シート防水
外壁タイル > 塗り壁 > ALC > タイルサイディング
インフラ電気+ガス > オール電化

タイルは資産価値が高いとみなされます。
見た目にもおしゃれなタイルは家づくりにおいても人気のアイテムですが、固定資産税を安くしたいならメリハリをつけたほうがいいかもしれません。

固定資産税の査定に影響がない設備

反対に、査定に影響しそうで影響しない設備もあります。それが下記です。

  • ・吹き抜け
  • ・階段
  • ・収納

収納はそのものではなく、床・壁・天井で何を使っているのか見られます。

固定資産税を安くするには?減額のポイント3つ

固定資産税 高い 減税措置

ここからは、固定資産税を減額する3つの方法をご紹介します。

固定資産税を安くする方法①:減税措置を利用する

固定資産税を安くする最初の方法として、軽減措置があげられます。
軽減措置(特例)は土地・家屋どちらにもあります。

土地(住宅用地)の軽減措置

1月1日時点で土地が下記に該当すれば、課税標準額が減額されて固定資産税・都市計画税が軽減されます。

住宅用地の種類と
対象条件
固定資産税都市計画税
小規模住宅用地
(200㎡以下の部分)
6分の1に減額3分の1に減額
一般用住宅用地
(200㎡超の部分)
3分の1に減額3分の2に減額

家屋(新築住宅)の軽減措置

2022年3月31日までに建てられた新築住宅は一定期間、固定資産税の税額が減額されます。
減額対象となるのは、居住部分の床面積が50㎡以上の戸建住宅や分譲マンションといった区分所有住宅です。

それぞれの固定資産税の減額内容と期間を以下にまとめました。

家屋の種類固定資産税減額期間
認定長期優良住宅以外
(課税床面積120㎡以下)
2分の1に減額一般住宅:3年間
マンション:5年間
認定長期優良住宅
(課税床面積120㎡以下)
2分の1に減額一般住宅:5年間
マンション:7年間

認定長期優良住宅の減額の適用を受けたい場合は、新築した翌年の1月31日までに申告書の提出が必須です。

また家屋の場合、住宅用地の特例とは違い、都市計画税の減額はありません。

固定資産税を安くする方法②:家屋調査を慎重に行う

新築住宅の固定資産税を決める際、家屋調査は非常に重要です。

家屋調査は行政が派遣した調査員が行います。調査員は市町村の職員で、不動産の専門家ではありません。
そのためヒューマンエラーが起こったり、想定以上に高い評価がなされる可能性もあります。

家屋調査はできるだけ立ち合い、どの部分がどのように評価されるのかその場でしっかり確認しましょう。

固定資産税を安くする方法③:評価額の再調査を依頼する

固定資産税の額に納得できない場合、市町村に評価額の再調査を申し出ることができます。
評価額の再調査の結果、払い過ぎた固定資産税が戻ってくる可能性もあります

再審査を申し出る宛ては、市町村の「固定資産評価審査委員会」です。
近年は不動産に強い法律事務所が代理で行ってくれるケースもあるので、自分に合った方法を選びましょう。

注文住宅を建てる人必見!新築住宅の固定資産税をシミュレーションしよう

もし新築住宅を建てたら固定資産税はいくらくらいになるのでしょうか?
以下の前提条件のもと固定資産税をシュミレーションしてみましょう。

前提条件:
・土地の評価額:3,000万円
・家屋の評価額:2,000万円
・2020年4月に新築(課税床面積は120㎡以下)
・税率:1.4%(都市計画税はなしとする)

1. 土地の固定資産税額

【課税標準額=土地の評価額×1/6】
3,000万円 × 1/6=500万円

【固定資産税額=課税標準額×税率】
500万円 × 1.4% = 7万円(A)

2. 家屋の固定資産税額

【課税標準額=家の評価額】
2,000万円

【固定資産税額=課税標準額×税率× 1/2 (新築住宅の減額措置)】
2,000万円 × 1.4% × 1/2 = 14万円(B)

固定資産税額合計 = (A) + (B) = 21万円

このように計算することが出来ます。

土地と家屋の種類によって、固定資産税額の減税措置は変わってきますが、あらかじめ固定資産税でどれくらいかかるのかを把握しておきましょう。

固定資産税が高いと感じたら減額措置なども利用してみよう

固定資産税を安くするためには軽減措置、使用する資材や設備の選定がカギと言えます。今回の記事を参考に、これから注文住宅を建てる人は構造や資材、設備を選んでくださいね。

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