【2024年最新】ZEH住宅って何?補助金は?徹底解説

2024.03.12

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MINIQUEのオーナーインタビューでもよく耳にするZHE(ゼッチ)住宅。
近年、快適性や補助金を活用できるなどメリットを考慮してZEH住宅を選ぶ人が増えています。

「ZEH」という言葉は聞いたことがあるものの、よくわからない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ZEH住宅をわかりやすくご説明します。

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ZEH(ゼッチ)とは

ZEH(ゼッチ)とは、「Net Zero Energy House」(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、断熱・省エネ・創エネの3つの性能を効率的に使いこなし、最終的には消費量をゼロに近づけることを目指しています。

  • ・高断熱な外皮、高性能な設備によって室内環境の質を維持
  • ・大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入
  • ・年間の一次エネルギー消費量の収支が正味ゼロを目指す

ZEH住宅は、高い断熱性や気密性による省エネ機能と、太陽光発電システムなどの創エネ機能を組み合わせることで、自家発電による自給自足が可能な住まいです。
国土交通省も注目しており、エネルギーの有効活用をトップクラスの標準として推進しています。

また、ZEH住宅の設計には、日光や風といった自然エネルギーを活用するパッシブデザインが取り入れられています。
これにより、夏は涼しく、冬は暖かい室内環境を実現し、年間を通じて快適な生活が可能になります。
特に、厳しい気候条件下でも、その性能を最大限に発揮する設計がされているため、猛暑や強風の地域での住宅選びには、ZEH住宅を検討する価値があるでしょう。

このように、ZEH住宅は現代における理想的な住宅の一つと言えます。省エネルギーと創エネルギーを巧みに組み合わせることで、エネルギー消費量をゼロに近づけることを目指し、快適な室内環境を提供します。

注文住宅を検討されている方にとって、ZEH住宅は、将来のエネルギーコストの節約だけでなく、環境にも優しい選択肢となるでしょう。

なぜZEH(ゼッチ)住宅が普及しているの?

近年注目を集めているZEH住宅ですが、その理由は2015年9月に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)。
地球環境を守り、温暖化対策によって自然災害を食い止める手段として、住宅の省エネルギー化を推進しています。

2019年に政府が決定したSDGsのアクションプランでは気候変動対策や省エネ・再エネ・循環型社会の形成を掲げました。ZEH化等による住宅における低炭素化促進です。

【政府が掲げたZEHの普及・目標】

2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画における「2030年度以降新築される住宅について、ZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す」、「2030年において新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備が設置されることを目指す」という政府目標の達成に向けて、ZEHの普及に向けた取り組みを行っていきます。

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について | 省エネポータルサイト

ZEH住宅を普及させるために政府が行っている主な取り組みが補助金です。補助金については後ほど詳しくお伝えします。

ZEH(ゼッチ)住宅の要件

ZEH住宅には断熱・省エネ・創エネの観点から4つの判断基準が設けられています。

強化外皮基準

強化外皮基準とは、建物の外皮の断熱性能を判断する基準のこと。「高い断熱性能=エネルギーを無駄づかいしない」と考えられています。

断熱性能を判断するのがUA値。この値は壁・床または基礎・天井または屋根に入っている断熱材の厚さ・性能、窓のサイズ・性能から算出されます。

UA値が低いほど断熱性が高いとされ、ZEH住宅と認められるUA値は0.4〜0.6
UA値は地域区分があり、エリアによって異なります。

一次エネルギー消費量20%以上削減

一次エネルギーとは石油・石炭・天然ガス・水力等の自然界から得られるエネルギーのこと。ちなみに電気は二次エネルギーとなります。

評価対象はエネルギー消費量が大きい照明・暖冷房・換気・給湯です。
ZEH住宅ではエネルギー効率の高い設備が必須。前述した断熱性と同様、欠かせない要素です。

再生可能エネルギーの導入

再生可能エネルギーとは自然界の力を活用した太陽光・水力・風力・地熱を指します。

これらの特徴は、CO2などの温室効果ガスを排出・増加させないこと。再生可能エネルギーによって創エネできることが重要な点となります。

代表的なのが太陽光発電です。生産量については特に基準は設けられていませんが、わずかでも創出できなければなりません。

再生可能エネルギーから一次エネルギー消費量を差し引いて正味ゼロに

「ゼロ・エネルギー」というとエネルギー消費がゼロと思ってしまいがちですが、そうではありません。年間エネルギー消費量と創エネルギー量の差し引きがゼロになることを目指します。

ZEH住宅の緩和策

ZEH住宅とは少し違いますが、緩和策として「Nearly ZEH」や「ZEH Oriented」の家もあります。詳しく見ていきましょう。

Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)とは

ZEH住宅ではないものの近しいものをNearly ・Net・Zero・Energy・House(ニアリー・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)と言います。

エネルギー消費から創エネルギー量を差し引いた数値が、正味75%以上100%未満の住宅を指します。

Nearly ZEHは都心部などで家を建てる際、狭小地だったり日照時間が確保できなかったりなどで、ZEH住宅の要となる太陽光発電を設置できない環境向けの緩和策です。

ZEH Oriented(ゼッチオリエンティッド)とは

Nearly ZEHよりもさらに緩和されたのがZEH Oriented(ゼッチオリエンティッド)です。

ZEH Orientedは都市部狭小地及び多雪地域に建設された住宅に限っていて、一次エネルギー消費量を20%以上削減できるのが条件となっています。

ZEH(ゼッチ)住宅が建てられるのは認定ビルダー/プランナーだけ!

ZEH住宅の普及を目指して作られたのが「ZEHビルダー/プランナー登録制度」(旧ZEHビルダー登録制度)。

ZHEビルダーとはZEH住宅を建てることを認められた工務店・ハウスメーカーのことを指し、ZEHプランナーは設計事務所のことです。
登録されているビルダー/プランナーで建てた家しかZEH住宅とは認められません。ZEHビルダー/プランナー登録業者は一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が管理しています。

ZEH住宅を扱うビルダーやプランナーを比較検討するには、資料一括請求サービスが便利です。気になるビルダー・プランナーのZEH住宅の情報が一度に集められるので、家づくりを効率よく進めることができます。

ZEH(ゼッチ)住宅のメリット・デメリット

ZEH住宅を建てるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。デメリットとあわせてご紹介します。

光熱費ゼロも夢じゃない!?光熱費・消費エネルギーを抑えられる

ZEH住宅は優れた断熱性やエネルギー効率が良い設備を搭載するため、冷暖房を使用せずとも家の中の温度を一定に保つことができ、消費エネルギーを抑えられます。

家は建てたら終わりではなくそこから始まるものなので、長く安心して住める家として長期優良住宅にしようとか、日々の光熱費や冷暖房効率を考えてZEH+(ゼッチプラス)を導入しようとか。当然その分の費用は増えましたが、今後のメンテナンス費やランニングコストを考えたら、決して高くないと思っています。

sachi_matt_5_9(住友林業)

また、太陽光発電などを活用した自家発電で、発電量が多ければ電力会社から買わなくても使用電力をまかなうことができます。

省エネや創エネにより光熱費と消費エネルギーを抑えられ、ランニングコストを軽減できる点はメリットといえます。

災害時に備えて電力を蓄えられる

太陽光発電と蓄電池システムを導入していると、それまで蓄電した電気を非常用コンセントから使用できます。

オール電化であれば災害時に電気が止まってしまっても、蓄えている電気によって各設備を使用でき、火災リスクを抑えられます。

また、エコキュートに代表されるヒートポンプ式の給湯機なら、通常時に370~460Lの水を貯めておけます。そのため万が一水道が止まっても、水の確保が可能です。

ZEH住宅はエネルギー消費が少ない省エネ設計になっている分、災害時でも電力消費が少なく、こうした備蓄電気や水を効率的に使えます。
いざというときの蓄えがあると、安心感が違いますね。

資産価値が高まる

ZEH住宅は将来資産価値が高まる可能性があるのも魅力の一つ。先々の売却においてもZEH住宅はメリットがあります。

2016年、国は資産価値を表す指標に新たに「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」を設けました。これは第三者機関が住宅のエネルギー性能を評価するもので、ランク分けは星1〜5つ。 星の数が多いほど価値が高いとみなされます。

ZEH住宅は4~5つ星の評価を受けられ、ランクとしては最上位に分類されるため、仮に家を手放すことになっても高く売却できる可能性が比較的高いです。

通常の住宅よりも初期費用(設備費)が高い

ZEH住宅は高い断熱性や省エネ・創エネを可能とする高性能設備を取り入れます。
太陽光発電システムの設置が必須なほか、蓄電池やHEMSといった機器が必要です。また設計も複雑なので、建築コストが高くなります。

【関連記事】HEMSとは?メリット・デメリットや機器の相場を解説

こうした設備投資による初期費用がかかるため、一般の住宅よりも建築コストが高くなるというデメリットがあります。初期費用だけでなく、住み始めてからのメンテナンス費用もかかります。
大体の相場として、ZEH住宅は一般の住宅より約250万~300万ほど価格が高いといわれています。

しかし資産価値の高さや光熱費の節約というZEH住宅のメリットを考えると、建築コストの高さはそこまで大きなデメリットではないかもしれません。

売電できるものの太陽光発電の価格は下落傾向

ZEH住宅は、創出したエネルギーを売ることができます。その代表格が太陽光発電ですが、太陽光発電の売電価格は年々下落しており、収益を上げるのは難しいでしょう。
売れることのメリットよりも使えることのメリットの方が今では大きくなっています。

それでも「FIT(固定価格買取制度)」があるので一定期間の収益は望めます。(FITとは、電力会社が一定期間買い取ることを義務化した制度のこと)

住宅用太陽光発電は2022年度17円、2023年度16円となっています。
参照 : 再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2022年度以降の買取価格・賦課金単価等を決定します (METI/経済産業省)

住宅用太陽光発電なら10年間買い取ってくれます。FITを導入した年の売電価格で売電することができるので、収支バランスの長期的な計画や予測は立てやすいといえます。

補助金や税制も年度ごとに変化するため、検討している方は早めに対応していきましょう。
参考 : 【最新版】2022年度・2023年度太陽光の売電価格

間取り、外観に制約が出る

ZEH住宅は住宅性能を重視する分、部屋を狭くしたり太陽光発電パネルを設置するために片流れ屋根に限定されたりなど、間取りや外観に制約が出てしまいます。
注文住宅といえど、通常の注文住宅と比べると自由度が低くなってしまう可能性大です。

エネルギー性能・効率や資産価値が高まる分、金額が高くなったりデザインに制約がでてしまうのがZEH住宅。家を建てる際に何を優先するかでZEH住宅にするかどうかが変わってきます。

気になるZEH(ゼッチ)住宅の費用はどれくらい?

最も気になるのがZEH住宅の費用ではないでしょうか。

断熱性能や高性能設備を取り入れるため、一般的な注文住宅と比べて250〜300万円高くなると言われています。
コストがかさむ要因は設備費用によるものです。

坪単価にすると、一般的な工法と比べた住宅の坪単価は約40〜60万円に対し、ZEH住宅は約80万円。

しかし、ZEH住宅でも設備のグレードを変更できるため、住宅会社と相談しながらコストバランスを工夫する余地はあると言えます。

また初期費用はかかっても長期的に見てお得だという声が多かったです。ランニングコストを考えて初期投資するかどうか検討してみてください。

ZEH(ゼッチ)住宅の補助金について

ZEH住宅を建てる際、一定の条件を満たせば国から補助金がもらうことができます。補助金給付の主な条件は以下の通りです。

  • ・所有者が住む戸建て住宅であること
  • ・登録されたZEHビルダー/プランナーが手がけた住宅であること
  • ・新築住宅がZEHの基準を満たしていること

補助金をうまく活用して満足する家づくりができたオーナーさんもいます。ZEH住宅を建てる場合はぜひ活用していきましょう。

ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅を建てられて補助金を受給できるのもいいなと思いました。(中略)やりたいことを実現することに加え、安全性など機能面も非常に充実しました。さまざまな補助金などをうまく活用して理想のプランができました。

匿名(ミサワホーム)

補助金はグレードごとに分かれている!

ZEH住宅にはグレードがあり、補助金の内容はグレードによって異なりますが、最大で一戸につき112万円が給付されます。(2022年度)

【ZEHのグレード】

  • ・ZEH(ゼッチ)
  • ・ZEH+(ゼッチプラス)
  • ・次世代ZEH+(ジセダイゼッチプラス)

ZEH+とは、ZEHよりもさらに高性能であり、再生可能エネルギーの自家消費が拡大したもの。
次世代ZEH+はZEH+のさらに上をいくものです。

【グレードごとの補助金額(2022年度)】

グレード補助金額
ZEH55万円/戸
ZEH+/次世代ZEH+100万円/戸
次世代HEMS112万円/戸

各グレードのZEH(ゼッチ)の補助金(2021年度)

ZEH補助金の基本となるものです。

【補助額】(対象物件:ZEH、Nearly ZEH、ZEH Oriented)

60万円 / 戸
蓄電システムを取り入れた場合は2万円/kWh、補助対象経費の1/3又は20万円のいずれか低い額

ZEH+(ゼッチプラス)の補助金

【補助額】(対象物件:ZEH+、Nearly ZEH+)

105万円 / 戸
蓄電システムを取り入れた場合は2万円/kWh、補助対象経費の1/3又は20万円のいずれか低い額

ZEH補助金との違いは、基本的なZEHの基準に加えてさらに下記を満たすことが必要となります。

Ⅰ.更なる省エネルギーの実現 (省エネ基準から25%以上の一次エネルギー消費量削減)
Ⅱ.以下の再生可能エネルギーの自家消費拡大措置のうち2つ以上を導入
1.外皮性能の更なる強化
2.高度エネルギーマネジメント
3.電気自動車(PHV車を含む)を活用した自家消費の拡大措置のための充電設備又は充放電設備

蓄電システムについては、先進的再エネ熱等導入支援事業の併願で補助が可能となります。
また、先進的再エネ熱等導入支援事業はZEHでも併願可能です。

先進的再エネ熱等導入支援事業の詳細

下記のいずれかを導入した場合に補助されます。

  • ・CLT(直交集成版):定額90万円/戸
  • ・地中熱ヒートポンプシステム:定額90万円/戸
  • ・PVTシステム (太陽光発電パネルと太陽熱集熱器が一体化したもの):65~90万円/戸
  • ・液体集熱式太陽熱利用システム:12万円/戸 もしくは 15万円/戸
  • ・蓄電システム(ZEH+の補助対象住宅に導入する場合に限る):2万円/kWh、補助対象経費の1/3又は 20万円のいずれか低い額

次世代ZEH+(ジセダイゼッチプラス)の補助金

【補助額】(対象物件:ZEH+、Nearly ZEH+)

105万円 / 戸
蓄電システムを取り入れた場合は2万円/kWh、補助対象経費の1/3又は20万円のいずれか低い額

次世代ZEH+の条件は、ZEHの基準に加えて下記のいずれかを1つ以上導入することが必要となります。

  • ・蓄電システム
  • ・燃料電池
  • ・V2H充電設備(充放電設備)
  • ・太陽熱利用温水システム

2022年のZEH(ゼッチ)補助金について

気になるのが2022年の新築住宅のZEH補助金。2022年から本格始動する「こどもみらい住宅支援事業」にZEH補助金について述べられています。

こどもみらい住宅支援事業は住宅を取得する子育て家庭または若者夫婦世帯が対象。こう聞くと、年代が限られそうですが、18歳未満の子どもがいれば40代や50代でも対象となります。

詳細は下記の通りです。

【補助額】(対象物件:ZEH、Nearly ZEH、ZEH Ready、ZEH Oriented)

100万円 / 戸

ZEH Ready(ゼッチレディ)とは、創エネが必須ではなく、一次エネルギー消費を50%以上削減する住宅のこと。

今後、太陽光パネルや蓄電池の価格は下がり、性能は上がるであろうという考えのもと、新築時に設備を取り付ける必要はなく、後付けでいい・それよりも住宅本体の性能を上げて一次エネルギーを50%削減しようという考えのもと生まれました。

2022年以降はZEH住宅補助金がさらに強化されると言えます。

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まとめ

ZEH住宅全般についてと、今後のZEH補助金についてご紹介しました。

これから新築住宅を建てる予定でZEH住宅を考えていなかった人も、視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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