「HEMS」とは?機器の価格やメリット・デメリットを解説

2023.05.16

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HEMSは、家庭の消費エネルギーを管理できるシステムです。HEMSを導入することで、電力消費量の見える化コントロールが可能になります。
電力を無駄なく賢く使えるシステムとして、HEMSは近年注目を集めています。今回はHEMSのメリットやデメリット、そして導入する際に必要な機器価格についてまとめました。

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HEMSとは?

HEMS(ヘムス)とは、Home Energy Management System(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の略で、省エネを実現するために管理するシステムのこと。

下記のようなエネルギー機器をネットワーク化し、一元管理ができます。

  • エネルギー創出機器:太陽光発電システムなど
  • エネルギーを蓄える機器:発電した電気を蓄える蓄電池や電気自動車など
  • エネルギーを消費する機器:HEMS対応家電など

HEMSの最大の特長は、電力消費量の「見える化」が叶う点。
HEMSを家電製品につなげば、全ての電気やガスの使用状況をモニターで見ることができます。
電力使用量が見えることで、節電の意識が強まり省エネ対策になります。また、CO2の削減も可能なため、地球温暖化の防止にも役立ちます。

HEMSのメリット

それでは、HEMSの具体的なメリットを見ていきましょう。

(1)使用エネルギーの「見える化」

HEMSを導入することによる一番のメリットは、使用エネルギーが「見える化」されること。

電気の使用量をはじめ、ガスや水道などすべてのエネルギーの使用状況を、パソコンやスマホ、専用タブレットでいつでも見られます。

どの家電にいくら電気代がかかっているか、季節によって使用電力量がどう変化するかなどを、細かく知ることができます。
週単位、月単位での電気使用量の推移グラフも表示されるので、おのずと節電意識が高められ、設定により家電を自動制御することもできるので、効率的な節電・省エネを実現できます。

ITを使ってエネルギー消費量を最適化する「スマートハウス」の核となるシステムです。

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(2)エネルギーの見える化による節電意識の向上

HEMSのメリット2つ目は、エネルギーの「見える化」による節電意識の向上です。

エアコンは冬の19時頃では、家庭の消費電力の約3割を占めると言われています。
また、意外なところでは照明機器の電気使用量も高く、エアコンに次いで2番目に多いというデータもあります。照明機器一つの電力は小さくても、家中のものを合算するとかなりの電力を消費しているのです。

こういったことをHEMSが集めたデータから知ることで、「一枚羽織って設定温度を1℃下げよう」、「照明の消し忘れを失くし、不在の部屋の電気はまめに消そう」という節電意識の高まりにつながります。

(3)家電の自動的な制御や遠隔操作が可能

電気料金の「見える化」だけでは心がけによる節電になります。「つい節電を忘れてしまっていた」ということもあるでしょう。

HEMSと家電をネットワーク化し自動制御させることで、より効果的な節電が可能になります。

「気温が〇度を下回ったら、冷房の電源を切る」「電気代の安い深夜の時間帯に食洗器や洗濯機を動かす」などを設定しておくと、HEMSが自動で行ってくれます。

さらに、電気代の高い日中は太陽光発電の電力や蓄電池の電力を使用し、深夜は電力会社の電気を使用するなど、自動でエネルギーを使い分けることもできます。

また、家電の遠隔制御も可能になるので、帰宅前に外出先から暖房をつけて部屋を暖めたり、お風呂を沸かしたりすることができ、暮らしの快適さもアップします。

HEMSのデメリット

HEMSにはメリットもあれば、デメリットもあります。ここからは、HEMSのデメリットや課題点を見ていきましょう。

(1)導入コストがかかる

HEMSは、現在大手家電メーカーをはじめ多くの企業から発売されており、価格は諸経費込みで10~30万円と言われています。

導入には、初期費用の機器代・工事費、そして月額利用料などの費用がかかります。そのため、HEMSに魅力を感じても導入に至らないケースがあることも少なくありません。
そして実際に初期費用を回収できるかどうかは、各家庭のこれまでの電気の使い方によっても異なります。

(2)導入コスト以上のメリットを得られない場合もある

元々節電意識が低く、無駄な電力を浪費していた場合には、HEMSの導入によって大幅な消費電力削減が期待できます。
しかし、元々節電意識の高い家庭では、劇的な節電効果は見込まれず、回収までに長い時間がかかるかもしれません。

HEMS導入にかかる「総費用」と省エネで達成した「節約費用」を天秤にかけたとき、コストメリットが明確でない点が課題であり、この解決がHEMS普及の鍵となっています。

(3)HEMSの対応機器が少ない

HEMSの家電機器のコントロールを活用するには、家電機器がHEMSの通信規格「ECHONET Lite(エコーネットライト)」に対応している必要があるのですが、対応機器がまだ少ないのが現状です。

エコーネットは、各メーカーの機器を接続できるための通信プロトコル(通信するための約束事)のことです。これがあるおかげで、さまざまな機器のネットワーク化・自動制御といった機能が使えます。

今後増えていく見込みですが、既存の製品が使えないというのも課題となっています。

家計の助けになり省エネの促進にもなるHEMSですが、先述の課題点に加え認知度の低さもあり、普及にはまだしばらく時間がかかりそうです。

今後参入メーカーが低価格帯のサービスを提供し始めたり、対応機器が増えていったりと今より幅広い展開が見込まれているので、情報に耳を傾けながら導入の検討をしましょう。

HEMSの導入に必要な機器と価格

HEMSの導入に必要な機器と、それぞれの機器の価格を表でまとめました。

機器価格備考
HEMS本体約2万~15万円
(メーカーによって異なる)
・HEMS本体+分電盤(電力計測装置)で電気の「見える化」が可能になる
HEMS対応の分電盤
(もしくは電力計測装置)
・通常の分電盤のHEMS対応:+数万円
・電力計測装置:約3万~5万円
・通常の分電盤の一部をHEMS対応にすることもできる
HEMS対応設備・家電設備・家電によって異なる家電の遠隔操作をしたい場合はHEMS対応の設備や家電が必要
HEMS連携アダプター約1万~2万円HEMSに連携させたい家電や設備につける

上記のほかに、音声で家電や設備をコントロールするなら、スマートスピーカーも必要です。

HEMS導入のコストは、ベースであるHEMS本体分電盤(電力計測装置)工事代などをプラスすると、おおよそ15~20万円程度が相場になります。

そして「HEMSと連携してやりたいこと」から、どんなHEMS対応の家電・設備が必要かがわかってきます。
どのような機器を購入するかによって、導入費用へのプラス分が変わります。そのため、HEMSと連携してやりたいことが増えるごとに、コストも上がっていくのです。

HEMSの機器を扱う主要メーカー

ここからは、HEMSの機器を扱う主要メーカーを3社ご紹介します。

パナソニック

HEMSにいち早く力を入れていたパナソニック。パナソニックのHEMS機器は、国内シェアNo.1といわれています。
「スマートHEMS」と呼ばれるパナソニックのHEMS機器は高い知名度と導入実績を誇り、HEMS対応の設備や家電が多い点が魅力です。

パナソニックの「スマートHEMS」の基本的な機器と価格を以下にまとめました。

機器価格概要
AiSEG27型モニター付:88,000円(税込)
本体のみ:44,000円(税込)
集合住宅用:44,000円(税込)
HEMS本体
スマートコスモ112,530円(税込)住宅分電盤
モニター壁面埋め込み型:105,600円(税込)
分離型:103,400円(税込)
コントローラー付き:123,200円(税込)
HEMS専用モニター
(パソコンやスマホで代用可能)

三菱電機

三菱電機のHEMSは、消費エネルギーの見える化や設備の遠隔操作といった基本的な機能のほかに、家族の予定に合わせて部屋ごとの機器の操作を細かく設定できるなど、ファミリー世帯向けの機能が充実しています。
また、HEMSのコントローラータブレットアプリで2013年のグッドデザイン賞を受賞しました。

三菱電機のHEMSの基本的な機器と価格は以下の通りです。

機器価格概要
HM-EM03-E
HM-EM03-W
61,600円(税込)エネルギー計測ユニット
HM-GW0356,100円(税込)情報収集ユニット

シャープ

シャープのHEMSサービス「COCORO ENERGY」には、業界初の「AI 雷注意報連携」が搭載されています。AIが日々の生活パターンに基づいて日射量予測や消費電力量を学習し、自動的に停電時に必要な電力量を算出。雷注意報が発令された場合、必要分だけを蓄電池に自動充電します。
満充電にしないので、電気代を気にする必要がありません。

シャープのHEMSの基本的な機器と価格を表にまとめました。

機器価格概要
エネルギーコントローラー74,800円(税込)マルチエネルギーモニタとつながりHEMS機能が使える
計測制御ユニット+機器連携コントローラー113,960円(税込)消費電力の見える化+機器や気象警報などの情報がわかる
HEMSコントローラー52,800円(税込)設備の遠隔操作が可能

HEMSの今後

今後、HEMSシステムはどのように変化していくのでしょうか。HEMSの今後について以下にまとめました。

AI HEMSの登場

最近では、AIを搭載したHEMSが登場しはじめています。

AIを搭載したHEMSは、家中の家電、太陽光発電システムなどの運転状況を専用サーバーに蓄積します。

そこでAIならではの学習能力を活かし、エアコンなら「この季節に設定温度を何℃で使用している」「室温の変化に合わせ風量をこう変えている」など、居住者の好みや家電の性格を約一年間かけて学びます。

そして設定温度や風量などを自動的に調整してくれるようになります。居住者は、自分で操作しなくても、快適な温度の部屋で過ごせるのです。

また、それぞれの家電の特性や効果的な節電方法を探り当て、自動的にその節電対策を継続してくれます。日々節電のことを意識しなくても、普通に暮らしているだけで節電できるようになっています。

2030年までに全世帯のHEMS化を目指す

国は家庭内における消費エネルギーの削減を、喫緊の課題としています。

これまでは家庭ごとのエネルギー消費量を把握するのは困難でした。
しかし使用エネルギーが「見える化」され、管理できるHEMSを導入すれば、節約意識の向上と効率的な省エネが実現可能です。
そのため国は2030年までに、全世帯にHEMSを普及させることを目標としています。

ZEH住宅の実現にHEMSは欠かせない

ZEH住宅とは、家庭で消費するエネルギーを、太陽光発電などの創エネルギーで相殺し、消費エネルギーをおおむねゼロにする住宅のことです。

ZEHの要となるのが太陽光発電システム蓄電池。これらを制御するためにHEMSが欠かせない設備となります。今後HEMSとZEHはセットとして普及していくでしょう。

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まとめ

新しい住まいの機能として注目されているHEMSシステム。
価格面など普及への課題はあるものの、節電やCO2削減、家電の遠隔操作などのメリットは魅力的です。
HEMS導入を検討している方に、今回の記事が参考になれば幸いです。