つなぎ融資とは?金利や諸費用、実際にかかる利息をわかりやすく解説!

2023.03.30

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家を建てるには土地代や建物代のほかに、土地契約の際の手付金、工事を始めるための着工金など、住宅ローンでは賄えないお金が必要となります。そこで資金に不安がある、すぐに動かせる現金がない、という方が利用するのが「つなぎ融資」です。
つなぎ融資とは何なのか、つなぎ融資が必要なケースやタイミング、利用時の注意点などをまとめました。

つなぎ融資とは?

つなぎ融資とは、「住宅ローンが実行される前に必要となる資金」を肩代わりしてくれる融資のことです。

つなぎ融資は「土地の購入時」「着工金の支払時」「中間金の支払時」といったように、必要なタイミングに合わせて利用できます。利用条件や融資回数は金融機関によって異なるため、まずは土地の購入から建物引渡しまでの期間中、いつ・何に・いくら資金が必要なのかを確認しておきましょう。

また、つなぎ融資は住宅ローンの借入予定の金融機関へ一緒に申し込む必要があります。しかしどの金融機関でも提供している商品ではないため、利用予定の金融機関がつなぎ融資を取り扱っているかも併せて確認しておきましょう。

つなぎ融資が必要になるのはどんな場合?

通常、住宅ローンは完成した建物を担保に融資されます。たとえば分譲マンションや建売住宅を購入するのであれば、担保となる建物がすでにあるため、購入代金の全額は住宅ローンで賄えます。

しかし注文住宅の場合はまだ建物が建っていないため、建築前にかかる土地代(手付金)や着工金には住宅ローンが適用されません。それらの費用は自己資金の中から現金で支払うことになるのですが、高額になるため用意が難しいというケースが多く、マイホーム取得を躊躇させる要因の一つとなっています。

そんな場合に自己資金を補う方法のひとつとして、つなぎ融資を利用するという選択肢があるのです。

つなぎ融資を使わなくて済むこともある?

つなぎ融資を利用しないで自己資金を補うには、以下のような方法があります。

  • 親や親せきから借りる(贈与)
  • ・住宅ローンの分割融資を利用する

一つは親や親せきなどから資金を借りるという方法です。親子・親せき間といえど年間110万円を超える金銭のやり取りには贈与税が発生するので、きちんと借用書などを取り交わし、支払いに関する約束事を決めておきましょう。

もう一つの分割融資とは、住宅ローンを複数回に分けて融資実行する方法です。分割融資を利用すると土地の購入時や着工金、中間金の支払い時に住宅ローンの借入金額から賄えるほか、金利も住宅ローンと同じなので負担を抑えられます。ただし分割融資を提供している金融機関は限られ、契約内容によっては手数料などの諸費用が高くなるケースもあるため、事前の確認が必要です。

つなぎ融資にかかる金利・諸費用

住宅ローンと同様に、つなぎ融資にも金融機関の事務手数料や印紙代などの諸費用が生じます。金融機関によっても異なりますが、事務手数料は約10万円が相場、印紙代は借入額に応じた金額が発生します。

また、つなぎ融資は無担保融資のため、住宅ローンの金利よりも高く設定されています。こちらも金融機関によって異なりますが、2~4%くらいの金利で設定している金融機関が多いようです。
手数料は初回のみですが、万一に備えての保険料の支払いなども発生するため、融資額が多いまたは借入期間が長い場合は利息や保険料が高くなるので注意が必要です。

つなぎ融資で実際にかかる利息をシミュレーション

つなぎ融資の利息の計算方法は以下の通りです。

利息=融資額×金利(年率)÷365日×融資日数

それでは、つなぎ融資を利用した場合の金利支払額について、3,500万円の融資を受けた設定で計算してみましょう。

【試算ケース】
1.土地代1,500万(利用期間10ヶ月)
2.着工金1,000万(利用期間4ヶ月)
3.中間金1,000万(利用期間3ヶ月)
※金利3%の場合

上記の設定では、それぞれの費用の利息額は以下のようになります。

【土地代の利息】
1,500万円×3%÷365日×300日(10ヶ月)=約37万円
【着工金の利息】
1000万円×3%÷365日×120日(4ヵ月)=約9.8万円
【中間金の利息】
1000万円×3%÷365日×90日(3ヵ月)=約7.4万円

金利支払い額の合計は、約54.4万円になります。

つなぎ融資を利用する際の注意点

つなぎ融資を受けるには、いくつかの注意すべきポイントがあります。

金利が割高

つなぎ融資は一般的な住宅ローンよりも金利が割高です。工期の延長などで住宅の引き渡しが遅れると、つなぎ融資の利用期間も延びることになり、その分利息が増える可能性があります。

住宅ローン控除を受けられない

住宅ローン控除を受けるには条件があり、つなぎ融資単体では控除を受けることができません。
しかし住宅ローン本融資と1本化することで控除の対象にできる場合もあるので、金融機関の担当者と相談してみるといいでしょう。

すべての金融機関で対応しているわけではない

ネット銀行などでは、つなぎ融資に対応していないところもあります。住宅ローンを借入れする金融機関で、つなぎ融資の借入れが可能かどうかを必ず確認しておきましょう。

まとめ

マンションや建売住宅と違い、あらかじめまとまった額の自己資金が必要となる注文住宅では、つなぎ融資という選択肢に助けられる人も少なくありません。しかし金利が割高だったり未対応の金融機関があったりと、メリットばかりでないのも事実です。
利点と注意点をよく理解し、無理のない資金計画の基に検討しましょう。

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