性能と仕様

公開日 2019/10/14

更新日 2019/10/23

住宅エネルギーをコントロール、HEMSについて知ろう

家庭の消費エネルギーを管理するシステムHEMS。
HEMSを導入することで、電力消費量の見える化とコントロールが可能になります。

HEMSとは

HEMS(ヘムス)とは、Home Energy Management System(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の略で省エネを実現するために管理するシステムのこと。
太陽光発電システムの「エネルギー創出機器」
、
発電した電気を蓄える蓄電池や電気自動車などの「エネルギーを蓄える機器」、

家電「エネルギーを消費する機器」、
これらをネットワーク化し、一元管理ができます。

HEMS導入で使用エネルギーが「見える化」

HEMSを導入することによる一番の変化は、使用エネルギーが「見える化」されること。
電気の使用量をはじめ、ガスや水道などすべてのエネルギーの使用状況を、パソコンやスマホ、専用タブレットでいつでも見られます。

HEMSによって使用エネルギーが「見える化」されることで、どの家電にいくら電気代がかかっているか、季節によって使用電力量がどう変化するかなどを、つぶさに知ることができます。
週単位、月単位での電気使用量の推移グラフも表示されるので、おのずと節電意識が高められ、設定により家電を自動制御することもできるので、効率的な節電・省エネを実現できます。

ITを使ってエネルギー消費量を最適化する「スマートハウス」の核となるシステムです。

スマートハウスとは?新しい住宅の形を学ぼう

見える化による節電意識の向上

エアコンは冬の19時頃では、家庭の消費電力の約3割を占めると言われています。また、意外なところでは照明機器の電気使用量も高く、エアコンに次いで2番目に多いというデータもあります。照明機器一つの電力は小さくても、家中のものを合算するとかなりの電力を消費しているのです。

こういったことをHEMSの集めたデータから知ることで、「一枚羽織って設定温度を1℃下げよう」、「照明の消し忘れを失くし、不在の部屋の電気はまめに消そう」という節電意識の高まりにつながります。

また自動制御ができるので、つい節電を忘れてしまっていた、ということを無くせるため、より効果的な節電も期待できるでしょう。

自動的な制御や遠隔操作も可能

電気料金の「見える化」だけでは心がけによる節電しかできません。
それがHEMSと家電をネットワーク化し自動制御させることで、より効果的な節電が可能になります

「気温が〇度を下回ったら、冷房の電源を切る」「電気代の安い深夜の時間帯に食洗器や洗濯機を動かす」などを設定しておくと、自動で行ってくれます。

さらに、電気代の高い日中は太陽光発電の電力や蓄電池の電力を使用し、深夜は電力会社の電気を使用するなど、自動でエネルギーを使い分けることもできます。

また、家電の遠隔制御も可能になるので、帰宅前に外出先から暖房をつけて部屋を暖めたり、お風呂を沸かしたりすることができ、暮らしの快適さもアップします。

HEMSの課題点

ZHEMSは、現在大手家電メーカーをはじめ多くの企業から発売されており、価格は諸経費込みで10~30万円と言われています。
HEMSの導入には、初期費用の機器代・工事費、そして月額利用料などの費用がかかります。
そのため、HEMSに魅力を感じても導入に至らないケースがあることも少なくありません。
そして実際に初期費用を回収できるかどうかは、各家庭のこれまでの電気の使い方によっても異なります。

導入コスト以上のメリットを得られるか

元々節電意識が低く、無駄な電力を浪費していた場合には大幅な消費電力削減が期待できます。
しかし、元々節電意識の高い家庭では、劇的な節電効果は見込まれず、回収までに長い時間がかかるかもしれません。

導入にかかる「総費用」と省エネで達成した「節約費用」を天秤にかけたとき、コストメリットが明確でない点がHEMS課題であり、この解決がHEMS普及の鍵となっています。

HEMS対応機器が少ない

HRMSの家電機器のコントロールを活用するには、家電機器がHEMSの通信規格「ECHONET Lite」に対応している必要があるのですが、対応機器がまだ少ないのが現状です。

今後増えていく見込みですが、既存の製品が使えないというのも課題となっています。

導入はよく検討しよう

家計の助けになり省エネの促進にもなるHEMSですが、先述の課題点に加え認知度の低さもあり、普及にはまだしばらく時間がかかりそうです。

とはいえ今後参入メーカーが低価格帯のサービスを提供し始めたり、対応機器が増えて行ったりと今より幅広い展開が見込まれているので、情報に耳を傾けながら、導入の検討をしましょう。

合わせて知っておきたい豆知識

HEMSの今後

AI HEMS

最近では、AIを搭載したHEMSが登場しはじめています。
AIを搭載したHEMSは、家中の家電、太陽光発電システムなどの運転状況を専用サーバーに蓄積します。
そこで、AIならではの学習能力を活かし、エアコンなら「この季節に設定温度を何℃で使用している」、「室温の変化に合わせ風量をこう変えている」など、居住者の好みや家電の性格を約一年間かけて学びます。
そして、設定温度や風量などを自動的に調整してくれるようになります。
居住者は、自分で操作しなくても、快適な温度の部屋で過ごせるのです。

また、それぞれの家電の特性や効果的な節電方法を探り当て、自動的にその節電対策を継続してくれます。日々節電のことを意識しなくても、普通に暮らしているだけで節電ができてしまう、未来的な節電方法が可能になっています。

HEMSはZEHに欠かせない

ZEHとは、家庭で消費するエネルギーを、太陽光発電などの創エネルギーで相殺し、消費エネルギーをおおむねゼロにする住宅のことです。

ZEH(ゼッチ)とは?

ZEHの要となるのが太陽光発電システムと蓄電池。これらをかしこく制御するためには、HEMSが欠かせない設備となります。今後HEMSとZEHはセットとして普及していくでしょう。

国の目標は2030年までに全世帯のHEMS化

国は家庭内における消費エネルギーの削減を、喫緊の課題としています。

これまでは家庭ごとのエネルギー消費量を把握するのは困難でした。
しかし使用エネルギーが「見える化」され、管理できるHEMSを導入すれば、節約意識の向上と効率的な省エネが実現可能です。
そのため国は2030年までに、全世帯にHEMSを普及させることを目標としています。