狭小住宅の間取り作りのポイントは?実際の間取りも写真付きで紹介

間取り 2022.10.14

狭い土地に建てる狭小住宅。広さに限りがあるため、住み心地が気になりますよね。
しかし、間取りを工夫すれば住み心地の良い家になりますよ。

そこで今回は、狭小住宅を検討している方や、どんな間取りにすればいいか悩まれている方に向けて狭小住宅の間取りづくりのポイントを間取りの事例を交えてご紹介します。

狭小住宅とは?メリットやデメリット

狭小住宅とは変形地や広さに限りがある土地に建てられる住宅のことですが、明確な定義はありません。目安としては一般的に50㎡(15坪)以下の土地に建てられた住宅を狭小住宅と呼びます。

狭小住宅が多く見られるのは都心部です。地価が高いエリアでも建てられるのがメリット。初期費用面やランニングコストにおいてメリットがありますが、建てた後にデメリットを感じることもあります。

メリットデメリット
・ローコストで建てられる
・都心などの地価が高いエリアに建てられる
・生活費や税金をコストカットできる
・間取り次第で家事の時短が可能
・場合によっては建築費が高くなることも
・周辺の住宅との距離が近くなる
・家事動線が縦に長くなる

▼狭小住宅についてもっと詳しく知りたい方はこちらもどうぞ

狭小住宅の間取りを作るポイント

狭小住宅の間取り作りにはいくつかポイントがあります。これからご紹介するものを意識するだけで住み心地がぐっと変わりますよ。押さえてほしいポイント6つをご紹介していきます。

間仕切りを多くしすぎない

敷地に限りがある狭小住宅は間仕切りを必要最低限にしましょう。あまりに区切りすぎると閉塞感が出てしまうからです。

部屋は細かく区切らないようにしましょう。仕切らずにゾーニングするには高さを活用するのが◯。そこで活用したいのがスキップフロアです。1.5階や中2階と言われる空間を作れば仕切りを用いなくてもゾーニングができますし、ゆるやかに空間がつながるので開放的に見えます。

廊下を作らないこともポイントです。どうしても設けないといけなところ以外は、室内に移動できる幅を確保して広さをとりましょう。

家事導線、生活導線をしっかり考える

家事スペースは可能な限り同じ階にまとめましょう。特に水回りを意識することが重要です。浴室と洗濯機を置く洗面脱衣所、洗濯する場所と干す場所、キッチンと洗濯する場所などをセットに考えると◯。一番理想的なのはキッチン・洗面・浴室を隣り合わせにした配置です。

もし同じ階にまとめるのが難しい場合は、すぐに移動できる動線を考えます。例えば、1階に洗面脱衣所があるなら階段の近くにして、上がってすぐにバルコニーにアクセスできるようにすると階違いでもラクです。

また、水回りはプライベート空間でもあるので2階以上にするのもおすすめです。

天窓や地窓、FIX窓を活用する

狭小住宅は隣の家との距離が近くなりやすく、視線が気になってしまうもの。窓を設置する際には目線が合わない位置を選びましょう。天窓なら採光できるので空間全体が明るくできますし、地窓なら室内の換気も問題なくできます。

窓は開閉するにもスペースが必要ですが、狭小住宅ならFIX窓がおすすめ。FIX窓は狭小住宅の強い味方です!

作り付けの家具はなるべく作らない

見栄えが良く便利な作り付け家具。テレビボードやデスク、収納棚などを作り付け家具にする人が多いですが、一度作ると動かせないため模様替えをするにも一苦労します。広い家なら問題ないでしょうが、狭小住宅では時には死活問題になってしまうことも。

作るとしても最低限に留めて、後から既成家具を買い足したりDIYしたりしたほうが後悔が少ないです。将来変えられるようにフレキシブルな家にしたいなら、作り付け家具は作らずに空間の使い方に合わせて家具を用意しましょう。

デッドスペースを収納にする

広さを確保するためには収納も工夫が必要です。かといって、広さ優先で少なくすると後々しまえなくなり、いつも片付かない状況に。狭小住宅ではデッドスペースを活用して収納を作りましょう。

階段下は定番ですが、屋根裏ロフト地下室を作って収納スペースを確保するのがおすすめです。壁を有効活用してニッチなどを作るのもいいでしょう。また階段下ですが、収納ではなくトイレにする人も増えています。

ドアの種類は必要に応じて変更する

ドア選びも大切です。ドアの開閉スペースも狭小住宅には影響を与えます。生活スペースや動線を考えてドアを選びましょう。

ドアには開き戸・引き戸・折れ戸・スライディングドアがあります。部屋が広くなかったり動線の幅が狭かったりする時には引き戸がおすすめです。リビングの隣に部屋を配置する場合、引き戸にすると開けている時はリビングと一続きのような空間になります。

狭小住宅の間取り事例をご紹介

では、実際に狭小住宅の間取りを見ていきましょう。ここでは平屋・2階建て・3階建ての事例を坪単価・延べ床面積・建築会社のデータとあわせてご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

14坪・1DKの狭小平屋

参考:SUUMO
坪単価105.8万円~140.9万円
延床面積46.91㎡(14.1坪)
間取り1DK+ロフト
建築会社清栄コーポレーション

狭小住宅では、難しい平屋も工夫次第で建てられます。

こちらは変形地に建った14.1坪のコンパクトな平屋です。広さに合わせて小回りが利く生活動線を意識した間取りになっています。水回りを全てまとめ、デッドスペースになりがちな部分を有効活用して趣味部屋にしています。タタミコーナーは小上がりにしたことで扉をつけなくても開放感を保ったままゾーニングできています。間仕切りを極力使わずに広く見せる手法です。

収納も狭小住宅でも住み心地を良くする工夫が施されています。小上がりの下に引き出しを作り、居住部の広さを確保するために縦を活かしてロフトを設けています。

14坪の変形地に建つ1DKの狭小住宅

参考:SUUMO
坪単価90.4万円
延床面積48.52㎡(14.6坪)
間取り1DK
建築会社ジェネシス

狭小地の設計・施工が得意な会社による2階建てです。逆三角形の土地のため、先端部分まで庭にしています。1階の水回りをよく見てみると、デッドスペースを生み出さないようにトイレと洗面室を一つにまとめています。寝室を配置し、室内にクローゼットを備えて収納をカバー。すぐに身支度できる生活動線です。

2階は全体を見渡せるLDKに。広さを確保するために収納はロフトにしました。建物の3面が開けているので窓を多く設け、陽光を取り入れているのもポイント。明るくなることで空間が開放的になって広く見えます。

ジェネシスの口コミ・評判

うちの場合、建物にお金をかけたかったのでなるべく土地は安くしたかったんです。それで見つけた土地が、旗竿地のちょっと難しいところで。ジェネシスさんに相談したところ、仲介として地主さんとの間に入ってくれて、価格や条件などいろいろな面を交渉してくれました。

仲介手数料を払っているわけでもないのに、そういうことも全部やってくれたので、そこもジェネシスさんを選んだ決め手となりました。(yass_ishidaさん)

https://minique.info/rev/603/

11坪・3DKのモダンな3階建て

坪単価130.5万円
延床面積38.00㎡(11.4坪)
間取り3DK
建築会社KEIJI一級建築士事務所

モダンな外観が目を引く3階建ての狭小住宅です。1階に水回りをまとめて大きな納戸を配置。洗面脱衣所からすぐに行けるので室内干しすることも可能です。ここまで大きければ趣味部屋としても活用できそうですね。

2階は開放感のある広々としたLDKに。デッドスペースになりそうな広さも活用してトイレと物入を左側に寄せました。3階は主寝室、子供部屋にそれぞれウォークインクローゼットを設置。部屋の広さを確保するためにウォークインクローゼットを寄せています。

どの階も無駄な廊下は作っていません。狭小住宅で広さを確保するためのルールを徹底しているのがわかりますね。

まずは事例を参考にして自分たちの生活のイメージを作る

狭小住宅の間取り作りのポイントや事例をご紹介してきましたが、狭小住宅の間取りを作るには、自分たちの暮らしをイメージすることが大切です。まずは家族構成、日頃の習慣や現在の住まいでの家事の動き、今のライフステージがどういったものかなどを確認して、今回ご紹介した事例などを見た時に自分ならどうするか?を考えると、動きやすい動線や部屋数がわかってきます。

先々の部屋の使い方を考えるのも大切です。家族構成の変化に伴って部屋の使い方を変える可能性があるなら、フレキシブルに変えられるような部屋の広さにしましょう。

また、住宅カタログの一括取り寄せサービスを利用して、さまざまなハウスメーカーの家づくりを見てみるのもおすすめです。間取りのイメージがつきやすくなりますよ。

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狭小住宅の施工事例が多いメーカーに依頼するのがおすすめ

住宅会社選びも狭小住宅を建てる上で重要な項目です。大手だから、有名だからではなく、狭小住宅を建てるなら変形地を得意としたり狭小住宅の施工実績が多い住宅会社を選びましょう。

ご紹介してきたテクニックはもちろん、それ以外にも独自のノウハウを持っていることが多いです。特に変形地に関しては、間取りはもちろん採光や通気も加味して建ててくれる住宅会社が安心できます。住宅会社選びでは過去の実績を数多く見てみましょう。

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