性能と仕様

公開日 2019/04/23

更新日 2019/10/23

地震に強い家を建てよう!住まいの安心と安全を支える耐震性

2011年に発生した東日本大震災は、人々に大きな衝撃を与えました。地震大国といわれる日本では、年々地震に強い家への関心が高まっています。
住宅の地震への耐久力を表すのが「耐震性」です。
耐震性が高いほど地震に強く、強固なつくりをしている建物といえます。耐震性には法で定められた基準があり、それに満たないものは建築できません。

耐震性は安心・安全に暮らすために欠かせない要素

住宅の耐震性は、安心や安全を左右する重要な要素です。現在は新基準によって多くの建物が丈夫なつくりになってきていますが、建築時に耐震基準を満たしていても、経年劣化などさまざまな要因によって耐震性が低下することもあります。
大切な家を守るために、耐震についての知識を深め、住宅入手後も管理を怠らないようにしましょう。

耐震強度を法律で定めた「新耐震基準」

「建築基準法」の中に、耐震強度を定めた「新耐震基準」があります。
これは1981年6月に制定された基準で、震度6~7程度の揺れでも建物が倒壊・破損しないことが前提となっています。
1981年6月以降に建てられた新築物件は、すべてこの基準のもとに建てられており、制定前より耐震性能が大きく向上しています。

新耐震基準への改正後も、1995年に発生した阪神淡路大震災の経験から2000年に木造住宅の大改正が行われるなど、耐震基準は大きな地震があるたびに見直されてきました。
現時点での大きな基準改正は1981年と2000年の2回ですが、今後もさらに改正・新基準が加えられていくと考えられます。

3つのランクで表す耐震性能

新耐震基準は震度6強~7程度の地震で建物が崩壊・倒壊しない耐震強度を最低ラインとしていて、「耐震等級」はその中で耐震性を3段階にランク分けした制度です。

数字が大きくなるほど耐震強度が高くなります。
各等級の強度は以下のように設定されています。

耐震等級1

震度5強の地震に耐え、震度6~7で損傷を受けても人命が損なわれないレベル

耐震等級2

等級1の1.25倍の耐震性を持ち、学校や避難所と同じレベル。

耐震等級3

等級1の1.5倍で、病院や消防署と同じレベル

現在多くの住宅でも等級3が採用されています。

耐震等級は間取りや費用にも影響する

耐震等級の高い家は丈夫なつくりにする必要がある以上、構造的に制約がかかります。

間取りにこだわりがある場合、自分の希望がどこまで組み込めるかよく確認しておきましょう。

一般的に、耐震等級が上がるほど工事費用は高くなるといわれています。
耐震性能を高めるには壁や柱を増やし、枠組みを補強するなど構造を強固にする必要があるため、その分建築コストが増すのです。
等級1の建物に対して等級2では2.5%、等級3では5%の上昇が目安です。

加えて工事費用とは別に構造計算費や耐震等級の申請費、その他手数料などがプラスされるなど、全体にかかるコストが高くなる傾向にあります。

耐震性の強化は予算とのバランスを考慮して検討しよう

耐震構造が優れた建物を建てたり、地盤改良工事を行ったり、地震に強い家を手に入れるには何かと費用がかかります。

住まいの安心・安全は重要な条件ですが、高い耐震性を求めるあまり予算をオーバーして、住んでからの生活が苦しくなるようでは考え物です。

自分たちの住まいにはどの程度の耐震性が必要なのか、予算をふまえて検討しましょう。

合わせて知っておきたい豆知識

「耐震性」だけじゃない、知っておきたい地震に強い家とは?

地盤・基礎・構造

耐震性を高めるために重要なのは、地盤と基礎、そして建物の構造です。

いくら建物が強固でも、地盤が弱いと地震の揺れが増幅され、倒壊のリスクが一気に高まってしまいます。地盤が悪い土地の場合、建物が新耐震基準を満たしていても、震度6強~7程度の揺れで崩壊・倒壊してしまう可能性があるのです

地盤には建物の荷重をしっかり支えられる強度が求められ、その土地が大規模地震の揺れに耐えられる強さも重要です。状況によっては改良工事が必要になることもあります。
地盤が弱い土地でも、建物に耐震補強工事を施すのと同じように地盤改良工事を行えば、建築に適したレベルに強度を上げられます。ただしその際は建物の費用とは別に「地盤改良費用」がかかることを覚えておきましょう。

地盤調査や改良工事は必要?家を建てる前に土地を知ろう

基礎には地盤と建物をまとめて一体化させる役割があり、構造は壁量と配置のバランスで建物を揺れから守る効果を発揮します。これらによって耐震性が高まるのです。

耐震、制震、免震

地震に強い家をつくる要素には、建物の構造自体を強固にする「耐震」の他にも、地震のエネルギーを吸収する「制震」や建物に揺れを伝えない「免震」などがあります。

「耐震」は建物の骨組や躯体を強化し、地震で壊れないようにする方法です。現在、日本の住宅のほとんどはこの構造となっています。

一方「免震」と「制震」は耐震構造にプラスアルファの装置を取りつけ、地震による揺れを吸収したり受け流したりする方法です。最近では耐震×制震というように組み合わせて採用する家も増えています。

より詳しく知る

難しいことの多い「耐震性」はプロの手を借りて学ぼう

耐震性を理解するには、地盤の強弱や建物の構造・工法など、さまざまな知識を得る必要があります。複雑で難しい制度や用語も多いので、戸惑う人も少なくありません。

そこで活用したいのが、セミナーや相談会などの住宅イベント。

家づくりのプロが必要な知識や最新情報をわかりやすく説明してくれるので、独学よりも効率が良く、内容も信頼できます。

セミナーは、耐震性の基礎を学ぶ、構造ごとの耐震性能を知るなど、内容のレベルも範囲も多岐に渡ります。
相談会は家づくりの悩みをアドバイザーに個別に相談するもので、ある程度知識があり、疑問点がはっきりしている場合に効率的です。

まずはセミナーで基本から学び、知識の土台を積み重ねていくといいでしょう。

耐震性能を目で確認できる構造見学会は欠かせない

住宅が完成すると隠れてしまう建物の基礎部分や構造を直に見られる構造見学会は、耐震性を学ぶ上で欠かせないイベントです。

構造見学の必要性

耐震性を高めるためには、細かく決められた施工ルールに沿って作業を行う必要があります。設計の段階で耐震性が優れていても、作業自体が正確でなければ仕上がり時の質が下がってしまうからです。構造見学会は、住宅会社が施工ルールを現場できちんと守っているかが判断できる機会であり、家づくりへの姿勢を確認できる場でもあります。

新しい生活を想像しやすい完成見学会に比べ、建築途中の無機的な建物を見る構造見学会は、どうしても敬遠されがちです。しかし、完成後には見られなくなってしまう部分を直接見ながら質問や確認ができる構造見学会は、耐震性を学ぶ上で非常に役立ちます。

見学会チェックポイント

構造見学会では、耐震性の確保のために構造躯体や基礎部分にどんな工夫がされているかをチェック。
よく見ておきたいのは、耐震性を保証するために住宅会社がどこまで綿密にルールを定め、履行しているかという施工体制。これは住宅会社の信頼性につながる重要な部分なので、しっかり確認しておきましょう。

セミナー、見学会、相談会を使い分ける

セミナーで耐震性の知識を深め、構造見学会で学んだことを体感し、相談会で細かな疑問点を解消する。このようにタイプの違うイベントを組み合わせる方法は、耐震性の確かな知識を得るうえで無駄が少なく効率的です。

耐震性だけでなく、耐熱性や気密性、耐久性といった建物の総合的な丈夫さを確認できる貴重な機会でもあります。見学しながら担当者が説明をしてくれるので、疑問に感じたことはその場で積極的に質問しましょう。

また、イベントには会社の特色がよく表れます。住宅会社選びの参考にもなるので、なるべく多くのイベントに参加してみましょう。

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