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高齢の家族と一緒に暮らす、または将来の介護を見据えて住まいを見直したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
家の間取りによっては移動の負担が大きくなったり、介護がしにくくなったりすることもあるでしょう。そこで大切になってくるのが、介護しやすい住まいの設計です。
バリアフリーや生活動線の工夫、適切な部屋の配置などを取り入れることで、介護する側・される側の双方が快適に過ごせる住環境を整えられます。
本記事では、介護しやすい家の間取りに必要な7つの要素や具体的な間取り例、注意点をご紹介します。快適で安心できる住まいづくりの参考に、ぜひご一読ください。
介護しやすい家には間取りの工夫が不可欠
高齢の家族を介護するためには、住環境の整備は不可欠です。
ここでは、介護が必要な家庭での住環境の重要性や介護しやすい間取りの特徴、さらには平屋以外の住まいでも対応できる設計のポイントを紹介します。
介護が必要な家庭での住環境の重要性
介護が必要な方が安心して生活できるかどうかは、住環境に大きく左右されます。間取りが適切でない場合は、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 玄関や部屋の出入り口に段差があると、転倒のリスクが高まる
- 廊下やトイレ、浴室が狭いと介護者がサポートしにくい
- 介護でドアを開けっ放しにする必要があり、プライベートの確保が難しい など
上記の課題を解決するためには、バリアフリー設計や介護がしやすい空間づくりが重要です。具体的には、トイレや浴室のスペースを広めに確保したり、車椅子での移動を想定した設計にしたりすることで、介護の負担を軽減できるでしょう。
平屋以外の住まいでも対応可能な設計のポイント
介護しやすい家と聞くと、ワンフロアで完結する平屋が理想的だと考える方も多いでしょう。しかし、すでに2階建ての家に住んでいる場合でも、引っ越さずに介護向けの住まいに対応する方法もあります。
具体的には、2階建ての家でも寝室やトイレ、浴室、リビングなどの生活スペースを1階に集約することで、ほぼ平屋のように使えるでしょう。さらに、スロープを設置したり、フラットな床材に変更したりすることで、車椅子や杖を使った移動がスムーズになります。
上記のように、平屋でなくても工夫次第で介護に適した住まいの実現は可能です。
既存の住宅でも間取りや設備を工夫することで介護の負担を軽減し、快適な生活を実現しましょう。
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介護しやすい家の間取り図に必要な7要素
介護しやすい家を設計するうえで、間取りの工夫は欠かせません。間取りの工夫によって、介護する側・される側の負担を軽減し、安全で快適な生活を送ることができます。
ここからは、介護しやすい家の間取り図に必要な7要素を解説します。
①バリアフリー設計
バリアフリー設計は、介護する人・される人の安全性を高め、移動の負担を減らすための基本となる要素です。特に、床の段差や手すりの設置などは転倒防止の観点からも重要です。
具体的なポイントは、次のとおり。
- 玄関・廊下・各部屋の床をフラットにする
- 車椅子が通れるように廊下は90cm以上、出入口は80cm以上を確保する
- 玄関・廊下・トイレ・浴室・階段に手すりを設置し、転倒防止を図る など
バリアフリー設計を施すことで、介護する側の負担も軽減されます。特に、高齢者がつまずきやすい段差や出入口の幅の狭さを解消することで、安全性も向上するでしょう。
②生活動線の最適化
介護が必要な方の移動負担を減らし、介護する人の負担を軽減するためには、生活動線の最適化が重要です。特に、トイレや浴室、寝室の位置関係がポイントになります。
- 夜間や介護時の移動負担を減らすため、トイレや浴室、寝室を近くに配置する
- 寝室をリビングの近くにすることで、介護者がすぐに対応できるようにする
- 家の中で行き止まりをなくし、スムーズに移動できる設計にする など
生活動線が最適化されていると移動の負担が減り、介護のしやすさが飛躍的に向上するでしょう。
③介護しやすい広さの確保
介護が必要になると、車椅子の使用や介助スペースが必要になります。そのため、十分な広さを確保することが重要です。
具体的には、以下を目安に間取りを検討してみましょう。
項目 | 内容 |
寝室の広さ | 介護ベッドを置けるように最低6畳、理想は8畳以上を確保する |
廊下の幅 | 車椅子がスムーズに通れるように90cm以上を確保する |
トイレの広さ | 介助しやすいように1.2m×1.8m以上を確保する |
浴室の広さ | 介助者が動きやすいように1.5m×2.0m以上を確保する |
収納スペースの確保 | 介護用品をすぐに取り出せるように使いやすい場所に配置する |
上記はあくまでも目安にはなりますが、広さを十分に確保することで介護がしやすくなり、スムーズな動線を確保できるでしょう。
④見守りしやすいリビングと寝室の配置
介護が必要な方の安全を確保するためには、家族がすぐに見守れるリビングと寝室の配置が重要です。
具体的には、次のとおり。
- リビングと寝室を近くし、家族が自然に見守れる距離感を確保する
- 室内カメラや見守り機器を活用し、遠くにいても安全を確認できる設備を導入する
- 緊急時に素早く対応できるように寝室やリビングに引き戸を採用する など
リビングと寝室の距離を短くすることで家族が自然に見守れる環境を整えられるでしょう。
⑤介護がしやすいトイレ・浴室の設計
トイレや浴室は、介護のしやすさを大きく左右する重要なスペースです。
設計時は、以下のポイントを意識しましょう。
- 車椅子でもスムーズに出入りできるように出入口を広めに確保する
- 立ち座りのサポートができるように手すりを設置する
- 浴室の洗い場を広くし、転倒防止の床材を使用する など
トイレや浴室は介護者・要介護者ともに負担が大きいため、広めの設計と手すりの設置が重要です。
⑥車椅子でも使いやすいキッチンの配置
介護が必要な方がキッチンを利用する場合は、使いやすさに配慮することが大切です。
具体的なポイントは、こちら。
- 車椅子でも移動しやすいように動線を広くする
- 高さ調節が可能なキッチンにすることで、座ったままでも作業ができる設計にする
- 立たなくても必要なものが取り出せるような引き出し式の収納を採用する など
キッチンの設計を工夫することで介護が必要な方も自立しやすくなり、生活の質が向上するでしょう。動線を集約。洗濯物が乾いた後は、収納もスムーズ。家事の負担軽減につながりました。
⑦将来の介護度の変化に備えた可変性のある設計
将来的に介護度が進行した際にも対応できるよう、間取りに可変性を持たせることが重要です。
具体的には、壁を撤去しやすい設計にすることや介護ベッドやリフトの設置に対応できるようなスペースを確保しておくなどがあります。
将来の介護度に合わせた設計にすることで、長く住み続けられる住環境を実現しましょう。
介護しやすい家の間取り図の具体例
介護しやすい家の実現には、具体的な間取りの事例を参考にすることが大切です。家の形態や住む人の状況に応じて適切な間取りを選ぶことで、介護する側・される側の負担を減らし、快適な生活を実現できるでしょう。
ここからは、介護しやすい家の間取り図の具体例を3つ紹介します。
一般的な戸建て住宅の介護向け間取り図
一般的な戸建て住宅の場合は、バリアフリー設計や生活動線の最適化が重要です。
各部屋の特徴は、次のとおり。
部屋 | 特徴 |
玄関 | スロープがあり、車椅子でも出入りしやすい |
寝室 | 介護ベッドが置ける8畳以上の広さを確保 |
トイレ | 出入口を80cm以上にし、手すりも設置 |
浴室 | 段差なしのバリアフリー仕様で引き戸も採用 |
リビング | 寝室の近くに配置 |
特に、寝室・トイレ・浴室を1階にすることで介護しやすい環境を整えられるでしょう。
2世帯住宅で介護しやすい間取り図
2世帯住宅では、親世帯と子世帯の距離感を調整しながら介護しやすい動線を確保することが重要です。
各部屋の特徴は、次のとおり。
部屋 | 特徴 |
親世帯の寝室 | バリアフリー設計(1階に配置) |
子世帯の寝室 | 1階 or 2階(すぐ介護に対応できるように配置) |
リビング(共用 or 分離) | 介護のしやすさとプライバシーのバランスを考慮し、共用 or 分離を検討する |
トイレ・浴室 | 1階は広めに設計し、必要であれば2階への設置も検討する |
親世帯の生活空間を1階に集約し、子世帯は2階を利用するのが一般的なレイアウトです。
介護リフォーム時に考慮すべき間取りの変更
既存住宅を介護向けにリフォームする際は、バリアフリー化と動線確保がポイントです。
具体的なリフォーム内容は、次のとおり。
リフォーム項目 | 内容 |
寝室を1階に移動 | 可能なら1階に移動し、階段を使わずに生活できるようにする |
トイレ・浴室の拡張 | 介助スペースを確保し、車椅子対応にする |
玄関スロープの設置 | 車椅子でも出入りしやすいようにする |
室内ドアを引き戸に変更 | 開閉時の負担を軽減する |
廊下の拡張 | 90cm以上の幅を確保し、車椅子対応にする |
それぞれの住宅タイプに合った間取りを選ぶことで、介護する人・される人が快適に過ごせる環境を整えましょう。
介護しやすい家をつくる際の注意点
介護しやすい家をつくるには間取りや設備の工夫だけでなく、事前の計画や費用面の確認も重要です。
ここからは、介護しやすい家づくりの際に押さえておきたい5つの注意点を解説します。
事前に自宅介護と介護施設のどちらを選ぶべきかを吟味しておく
介護を自宅で行うのか、将来的に施設を利用するのかを事前に検討することで、適切な間取りや設備の準備ができます。
両者の比較は、次のとおり。
項目 | 自宅介護 | 施設介護 |
費用 | 介護リフォームや在宅介護サービス費用が発生 | 入居一時金や月額利用料が必要 |
介護の負担 | 家族が介護を担うため、負担が大きくなる可能性あり | 施設スタッフが対応するため、家族の負担は軽減される |
自由度 | 住み慣れた環境で生活できる | 施設のルールや生活リズムに合わせる必要あり |
安全性 | 自宅の設備による(バリアフリー化などが必要) | 専門スタッフが常駐し、医療対応も可能な施設が多い |
介護される人はもちろん、介護する人の負担も考慮し自宅介護か施設介護かを慎重に検討しましょう。
介護する人とされる人の両方が快適に過ごせる工夫をする
介護する人とされる人に負担がかかるため、介護のしやすさだけではなく、介護をする側の精神的なストレスを減らす環境づくりも重要です。
具体的には、次のとおり。
- 介護負担を軽減するため、別室やリラックスできる空間を用意する
- 寝室やトイレの位置を工夫し、介護する側のプライベートを確保する
- 生活動線を短くし、無駄な移動を減らす など
介護のしやすさはもちろんですが、介護する側のプライバシーや生活のしやすさを担保することも重要です。
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介護リフォームの助成金や補助制度がないかを確認する
介護リフォームには高額な費用がかかるため、自治体の助成金や補助制度を活用することで、負担を軽減できます。
助成金や補助制度の事例は、次のとおり。
- 介護保険制度による住宅改修費の支給
- 介護リフォームの補助金を自治体が提供(市町村によって異なる)
- 住宅改修費の一部が所得税控除の対象になる場合もあり など
介護リフォームを計画する際は、事前に自治体やケアマネージャーなどに相談することがおすすめです。
ハウスメーカー・工務店・リフォーム会社などで相見積もりをする
介護リフォームや新築を計画する際、費用や施工内容を比較するために、複数の業者から見積もりを取ることが大切です。
相見積もりのポイントは、次のとおり。
- 費用・施工内容・工期を比較し、最適な業者を選ぶ
- 介護向け住宅の施工実績が豊富な会社を選ぶ
- 追加費用が発生しないかなどの細かい内訳をチェックする など
施工内容や保証内容を比較し、信頼できる業者に依頼をしましょう。グで上記のような家づくりを考えることには十分な意味があるといえるでしょう。
将来の介護レベル変化に対応できる間取りにする
介護が必要な状況は時間とともに変化するため、将来的な変化にも対応できる設計にしておくことが大切です。
可変性のある間取りのポイントは、次のとおり。
- リビングの一部を寝室に変更できるようなスペースを設けておく
- スロープを後付けできるスペースを確保しておく
- 仕切り壁を撤去しやすい構造にしておく など
現在だけでなく、将来的な介護の変化を考慮した設計にしましょう。
介護しやすい家に関するよくあるQA
ここからは、介護しやすい家に関するよくあるQAにお答えいたします。
高齢者が住みやすい住宅の特徴は?
高齢者が住みやすい住宅には、安全性・快適性・利便性の3つの要素が求められます。転倒リスクの低減や生活動線の最適化など、日常生活を快適に過ごせる設計が必要です。
詳細につきましては、介護しやすい家の間取り図に必要な7要素をご覧ください。
高齢者にとって安全で快適な住環境を整えることで、自立した生活を維持しやすくなるでしょう。
要介護5で自宅介護は無理ですか?
要介護5は介護度の中でも最も重度であり、寝たきりや全介助が必要なケースが多くなります。しかし、自宅介護が絶対に不可能というわけではありません。適切な設備と介護サービスの活用により、自宅での生活を継続できる場合もあります。
- 自宅介護は可能だが、家族だけで対応するのは負担が大きい
- 訪問介護や訪問看護を活用し、介護負担を分散する
- 長期的な視点で、施設入居の選択肢も検討する など
要介護5の方が自宅で快適に過ごすためには、家族だけではなく専門の介護サービスの活用も含めて検討してみることがおすすめです。
高齢者が暮らしやすい建物は?
高齢者が快適に暮らせる建物は住宅だけではなく、集合住宅や介護施設などの選択肢もあります。
建物の種類 | 特徴 |
バリアフリー住宅 | 段差のない設計、手すり設置、生活動線の最適化 など |
サービス付き高齢者向け住宅 | 生活支援・見守りサービス付き、自由度が高い など |
シニア向けマンション | バリアフリー設計、緊急対応設備、共用施設が充実 など |
介護付き有料老人ホーム | 24時間介護スタッフが常駐し、医療対応も可能 など |
それぞれの特徴を理解し、ライフスタイルに合った環境を選ぶことが重要です。
介護しやすい家の実現のため、間取り図の検討から始めよう
本記事では、「介護しやすい家の間取り」をテーマに、必要な設計のポイントや具体的な間取り例、
リフォーム時の注意点などをご紹介いたしました。
介護が必要になったときに、住環境の整備が不十分だと日々の生活に大きな負担がかかります。
しかし、間取りを工夫することで介護する側・される側の双方が快適に暮らせる家を実現できます。
これからの住まいづくりを考える際は今だけではなく、将来の変化にも対応できる家を意識することが大切です。段差をなくす、生活動線を最適化する、見守りしやすい配置にするなど、少しの工夫で住みやすさは大きく変わるでしょう。
本記事が、「安心できる介護環境の実現」 のためのヒントになれば幸いです。まずは、理想の間取り図の検討から始めて、家族全員が安心して暮らせる住まいづくりを進めていきましょう。