自然素材住宅とは?建材の種類やメリット・デメリットを徹底解説
2022.09.30
自然素材住宅は、壁や床、断熱材など住宅の建材に自然素材を使用して建てられた家を指します。
一部にビニールクロスなどを使用していても、大部分を自然素材で仕上げていれば「自然素材の家」と言えます。
自然素材の種類は様々あり、住宅会社によって使用している素材もそれぞれです。
自然素材とはどういったものがあるのか、自分に合った好みの自然素材を見つけるのも楽しみの一つです。
今回は、そんな自然素材住宅の種類やメリット・デメリットをご紹介します。
自然素材住宅とは?メリットとデメリット
従来の家には、複数の木材を集めて接着剤でつなぎあわせた「合板フローリング」が多く用いられています。
合板フローリングは価格や機能的なメリットがある反面、接着剤に防腐剤やホルムアルデヒドなどの化学物質が含まれています。そのため、健康被害がしばしば報告されていました。
自然素材住宅では天然由来の建材を使用しているため、シックハウス症候群や化学物質過敏症といった健康被害が軽減され、身体に優しい住宅といえます。
自然素材には無垢材(ヒノキやスギ、ナラ)珪藻土などさまざまな種類があります。家のこだわりに合わせて選んでいくのも楽しいものです。
自然素材の家を建てる場合、素材のことをよく知ることが必要です。メリット・デメリットを理解して自然素材住宅の家が自分達に合っているか、考えてみてください。
メリット
自然素材住宅のメリットとして、主に以下が挙げられます。
- ・身体に優しく居心地の良さを感じられる
- ・調湿・消臭作用がある
- ・経年美化を楽しめる
身体に優しく居心地の良さを感じられる
自然素材のメリットの一つは居心地の良さ。素材の持つ温かみがストレスを軽減させ、安心感を生み出してくれます。
また、天然由来の素材はシックハウス症候群など化学物質が原因で起こる健康被害の心配がありません。身体に優しい点は自然素材住宅の大きなメリットといえるでしょう。
自然を感じる暮らしを求めていたので、シンプルなデザインでも木の香り漂う空間はとても落ち着きます。歳を重ねていくごとに似合う自宅になるデザインでとても気に入っています。
家に帰ってくると木の香りがして気持ちいいし、床も無垢檜なので子どもが肌で木を感じられて木育になっているのかなと。
調湿・消臭作用がある
無垢材は木が呼吸をして調湿するので季節に左右されずサラサラとした肌触りをいつでも感じられますし、木に囲まれているだけでも森林浴をしているような心地良さがあります。
24時間換気の場合、乾燥しすぎてしまう可能性もありますが、調湿作用のある自然素材を使っていると乾燥を和らげてくれる効果もあります。
室内環境をコントロール、臭いを吸収する自然素材は他にもさまざまあります。
各住宅会社の使用している素材を確認してみてください。
経年美化を楽しめる
無垢材などの自然素材は、年月を経るごとに独特の味や風合いが出てきます。
この「経年美化」は、自然素材住宅の醍醐味のひとつともいえるでしょう。家族と一緒に家も歴史を重ねていき、家族と一緒に成長していくのです。
デメリット
自然素材のデメリットについても見ていきましょう。
- ・傷や汚れがつきやすい
- ・定期的なお手入れやメンテナンスが必要
- ・コストがかかる
傷や汚れがつきやすい
自然素材住宅のデメリットは傷がつきやすいこと。水に弱い素材も多いため長時間水に濡れたまま放置しておくと傷みやすいものもあります。
また水分を吸収しやすい性質もあり、合成洗剤が使えないので汚れやすいこともあげられます。汚れやすい、汚れが目立つ部分などはよく検討した方が良いでしょう。
定期的なメンテナンスとコスト高
化学合成建材は、汚れにくく手入れが少なくてすみ、品質にばらつきがなく施工も容易にできます。形が大きく変形することもありません。
しかし、無垢の木は節があって反りも出てきます。生命感があり、環境に影響され変化します。
化学合成建材よりも素材が高価で、施工に技術も要するためコストがかかるという点も否めません。
手間をかけなければ美しく古びてくれない部分もあるため、それを楽しめれば良いのですがそうでない場合、不具合として捉えてしまうこともあります。
こんなはずではなかった…と後悔しないように、こういった自然素材のデメリットをしっかり把握しておきましょう。
よく使われる自然素材の種類
自然素材住宅によく使用されている素材をいくつかご紹介します。
家族が快適に過ごせるように自分達に合った自然素材を選んでいきましょう。
無垢材

無垢材とは、特定の種類の木材ではなく、丸太から切り出した自然の状態なままの木材のことを指します。
温かみや色合いに深みがあるため人気が高く、住宅では天井や柱、フローリングや建具などさまざまなところに使用できます。
無垢材は耐久性や調湿性、保温性に優れているのが特徴で、具体的には以下の種類があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
スギ | 軽くて柔らかく、加工がしやすい。傷がつきやすい。 |
ヒノキ | 高級木材で香りに癒やし効果がある。耐久性があり湿気やシロアリに強い。 |
オーク(ナラ) | 固く耐水性や耐久性に優れる。熱伝導率が高い。 |
パイン(マツ) | 明るい色で比較的安価。シロアリ被害を受けやすい。 |
ウォールナット (クルミ) | 深みのある色で、耐久性に優れ衝撃に強い。 |
カエデ (メープル) | 白っぽい色で耐久性に優れている。熱伝導率が高い。 |
バーチ(カバ桜) | やや赤みがかった色。反りやゆがみが少ない。 |
竹 | 耐久性に優れ傷がつきにくい。消臭・防カビ・保湿性が高い。 |
無垢材には高い室温作用があります。無垢材が湿度を調整することで夏には蒸し暑さを防ぎ、冬には乾燥しすぎないよう室内を快適に保つ効果があります。
断熱効果も備えていることから、冬場でも室内の温度を冷やさず床暖房の代わりを果たしてくれます。
無垢材のデメリットとしては、傷が付きやすい、水分を吸収することによる膨張と収縮で素材に歪みが生じる可能性がある、水にぬれるとシミが付きやすいといった点があげられます。
漆喰
漆喰は石灰に粘土などを混ぜたもので、日本でも伝統的な家屋の壁の上塗りに使われてきました。
漆喰を利用する最大のメリットは100年を超えると言われる耐久性の高さです。
高い不燃性と耐水性、防音効果、脱臭効果などもあり、年月が経つほど硬くなります。この特徴があることにより、昔から住宅や城の壁材として重宝されてきました。
住宅に漆喰を使うデメリットとしては費用が高めで、人工素材の数倍の値段がかかる点です。
漆喰の施工には技術が要求されることから相応の費用をかけ業者選びを慎重に行わなければならない点にも注意が必要です。
また、弱アルカリ性でカビに強いという特徴もあります。
珪藻土
珪藻土とは水中に生息する植物性プランクトンが海底に積もってできた化石の殻が積もってできた土のような素材です。レンガなどの壁材によく用いられます。
珪藻土を使用する最大のメリットは高い調湿性能にあります。
珪藻土の表面には無数の小さな穴が空いており、穴が湿気や水分を吸収し吐き出すため室内の湿度が快適に保たれます。
この他にも消臭効果・速乾性・耐火性・断熱性にも優れています。
表面が砂のように崩れやすく、風化しやすい場所や人の出入りが多い場所の建材には向いていません。使用する場所に注意しましょう。
シラス
シラスは、火山の噴出物が火砕流となって堆積したものが原料です。
調湿作用に優れ、主に壁材として使用されます。
ホタテ
低温で長時間焼いたホタテの貝殻が主な成分です。
調湿性に優れ、結露やカビの発生を防ぐほか、消臭効果や断熱効果もあります。また、100%循環型商品のため解体後は土に戻すことができます。
和紙
和紙は壁紙によく使用される素材で、植物の表皮の裏側にある繊維が主成分です。
保湿効果と吸音効果があるほか、日光や照明の灯りをやわらかくする調光作用にも優れています。
月桃紙
沖縄に生育する「月桃」という多年草が原料です。
防虫・防カビ性・耐火性に優れ、キッチンの壁紙に使われることもあります。
ケナフ
東南アジアやアフリカに自生する「ケナフ」という一年草のパルプが原料です。
壁紙として使用され、防カビ性と撥水性に優れています。
コルク
コルクはコルク樫の樹皮を乾燥させ、加工した素材です。
弾力性があるため衝撃を吸収しやすく、保温性があるので床材に使用されることが多いです。また、水や油が浸透しにくいので耐火性にも優れていて、断熱材にも使われます。
ウール(羊毛)
羊の被毛を原料とし、主に断熱材に使用されます。
羊から刈り取って使うもののほかに、古着を原料としたリサイクルウールもあります。
調湿性と耐火性が高く、吸音効果もあります。
セルロースファイバー
セルロースファイバーは、古紙と新聞紙をリサイクルした木質繊維系の素材で、主に断熱材に使われます。
吸湿作用があるほか、防音効果も期待できます。
キヌカ
キヌカは米ぬかの油を主原料とした自然素材の塗料です。乾燥が早く無臭なため、無垢材のフローリングによく塗布されます。
キヌカのほか「米ぬかワックス」と呼ばれることもあります。
蜜蝋
ミツバチの巣の蝋が主原料の自然素材で、ワックスとして使用されます。
一般のワックスのような刺激臭がなく、無垢材の保護剤としても人気です。
自然素材住宅でよくある質問

自然素材住宅に関して、よくある疑問点とその回答を紹介します。
自然素材のお手入れ方法やメンテナンス頻度は?
自然素材住宅のお手入れ方法やメンテナンス頻度は、使用する素材によって異なります。
主な自然素材のお手入れ頻度は以下の通りです。
無垢材フローリング | ワックスがけは年に1回、自然素材のワックスで行う |
珪藻土の壁 | 汚れが気になったタイミングで行う。 消しゴムや乾いたほうき、はたきで落とす |
漆喰の壁 | 汚れが気になったタイミングで行う。 消しゴムや水に濡らしたメラミンスポンジ、サンドペーパーを使用する |
自然素材は「汚れたら洗剤でしっかり汚れを落とす」というようなお手入れは、素材を傷めてしまうため向きません。
素材にあったお手入れをしてあげてください。住宅会社の営業や設計士・施工担当者などにお手入れ方法も確認しておきましょう。
素材に合ったお手入れをすることで、風合いを増したり強固なものに再生するのも自然素材の素晴らしいところです。
自然素材の塗料を使えばアレルギーは出ない?
残念ながら、一概にアレルギーが出ないともいえません。
自然素材では化学物質過敏症やシックハウス症候群の心配はありませんが、漆やテレピン油といった素材にアレルギーを持つ人もいます。
また、ヒノキやクスノキ、スギにアレルギーがある人もいるでしょう。
住宅に使用する素材にアレルギーがないか、事前によく確認しておくことが大切です。
素材が安全かどうかはどこで判断する?
住宅に使われるほとんどの建材は、「製品安全データシート」が公開されています。
使用する自然素材について調べたい場合は、ハウスメーカーや工務店を通じて取り寄せれば、細かな成分がわかります。
ただし、微量の化学物質は記載されていないため注意が必要です。
自然素材住宅はどれくらい高い?
自然素材住宅は素材自体の価格にプラスして、技術の高い職人を雇うコストがかかります。そのため、一般的な住宅の約1割増しの費用が必要だといわれています。しかし自然素材住宅がもたらす効果を考えると、決して高すぎることはありません。
自然素材住宅がおすすめな人・そうでない人
自然素材住宅の特徴やメリット・デメリットをかんがみて、自然素材の家がおすすめな人とそうでない人を以下にまとめました。
おすすめな人 | おすすめでない人 |
---|---|
・身体にやさしい家に住みたい ・経年美化を楽しみたい ・日々のお手入れが苦ではない ・素材にこだわった家に住みたい | ・初期費用をなるべく抑えたい ・床や壁は統一性のあるデザインが良い ・経年劣化による反りやひび割れは嫌 ・メンテナンス頻度の低い家に住みたい |
豆知識:無垢材の魅力をもっと知ろう
日本の国土にある森林の割合は67%。これは世界第3位の割合なのです。それなのに使われるのは輸入材ばかり。国産の材料は価格に目がいってしまい、使われていないのが現状です。
しかし、湿気に強く、きめ細かく木目も美しい樹木が多いのです。住まいづくりにももっと日本の木を使っていってほしいものですね。
木の魅力①水を吸ったり吐いたりする
木は湿気の多い日は水分を吸って伸び、乾燥していると水分を出します。これによって空気が調湿できるのです。
木の魅力②鉄よりも強い
木と鉄を引っ張って比べると木の強さは鉄の4倍。圧縮した時の強さは2倍も強いのです。
木の魅力③寿命が長い
木が腐るのは腐朽菌によるもの、含水率20%以下なら腐朽菌は繁殖しないので乾燥が大切。60年かけて育った木は60年もつと言われます。
木の魅力④火に強い
木材は燃えやすいですが、ある程度の太さや厚さのある木は燃えても中心部まで進行しません。これは実験結果からも実証されています。
自然素材の注文住宅を手がける住宅会社を探してみよう
自然素材に注目が集まる中、多くの住宅会社が自然素材を使った家づくりを行なっています。
いろいろな住宅会社を訪れて、実際に建てている住宅を体験してみてください。きっと自分たちに合う素材と巡り会えるはずです。
▼自然素材住宅を得意とするのおすすめ住宅会社をみる
「みんなどんな家を建てている?住宅会社はどこがいいの?」
そんなお悩みにお答えするのが、リアルな⼝コミ・体験談を集めたMINIQUE(ミニーク)。
MINIQUEでは、実際に家を建てた⽅の⼝コミ・体験談を数多くご紹介しています。良かったことばかりでなく、苦労した点や失敗談、もっとこうだったらよかったのに……など経験者だから⾔えるリアルな声がいっぱい!これから家を建てる⼈、住宅会社を選ぶ⼈にとって役⽴つ情報が満載です。
ぜひこれからの家づくりにお役立てください。
自然素材を使った温かみがあるデザインが理想のイメージに近く、重点を置いていた断熱性・耐震性が申し分なかったことが決め手です。加えて、長期優良住宅なので、税金控除が受けられることも魅力でした。
最初は住宅展示場へ行って見ていました。住友林業やBESSの家なども見ましたが、高砂建設にした理由はデザイン性と機能性どちらも兼ね備えているから。希望していた自然素材を使っていて、高気密・高断熱が叶うところがいいなと思いました。
最初は高気密高断熱と予算を重視して探していましたが、探していくうちに無垢床や漆喰などを使ったおうちに惹かれていきました。カキザワさんは自然素材を使っていて、かつ高気密高断熱も叶うところがいいなと。
営業さんが「うちはハウスメーカのようにお金をかけて住宅性能のエビデンスを残せてはいないですが、それ以外の部分で気に入ってお任せいただけたら嬉しいです」と言ってくれて。ゴリ押しする住宅会社もある中、正直で誠実に言ってくれたので、ここにお任せしようと思いました。
利⽤ユーザーの感想
満⾜度には個⼈差があるので流して⾒る程度かもしれません、、😅 ⼈が集まって作っていくものなので相性や信頼関係は千差万別ではないかと思います🤔 しかし、評価が低いと気になります。
2021/06/15
ハウスメーカーについては、2ちゃんねるのような無法地帯のようなサイトで好き放題評価されている情報が多かった。
酷評しているものが多く、本当の評価がよくわからなかった。
きちんと精査された情報サイトはありがたい。
2021/06/03
ステマが多い世の中になっているので、高い買い物だからこそ真実が知りたい
2021/05/19
やはり自分たちと同じような人たちがどれくらいいるのか、どのくらいの予算・場所・建てた会社は気になるし口コミ、書き込みは少なからず参考になると思います。
いいレビューなら、良かったと思いますし、あまり良くないレビューなら、やっぱりな。となりますし💦それで失敗しない家づくりを進める事ができればそれが一番だと思います。
2021/05/10
これから長いお付き合いとなるハウスメーカーや工務店のリアルな口コミを詳しく知ることができるため、利用したい🙆♂️また家族構成や建てた時の年齢なども自分と比べる時に役に立ちそう👍
2021/04/28
やはりレビューや口コミは、生のお客様の声なのでとても参考になる✨
表向きはいいことを発していても、蓋を開けたら違った!ということが少しでも減るのであれば、ぜひこういったサイトを活用した方がいいと思う...
2021/04/12
大体の世帯年収が書かれているとどの程度の年収であればどのくらいの価格の住宅を購入できるのか参考になる😃
2021/04/06
マイホームを立てる時、何も勉強しなかったので、建ったあとでInstagramなどを見て、あー!!こんなんすれば良かった!!って思う事が多々ありました😂😂😂
身近にこういう情報が見れるサイトがなかったものですから😂
2021/03/18
会社選びの参考とホームメーカー各社の比較検討の材料として、施主様のリアルな評価だけではなく、一人一人の家づくりストーリーが1つのコンテンツに込められているので、家づくりにおいて自分達は何を重視すべきかが確認でき、家づくりの参考になると思いました。
また施主の細かい情報(建設地・坪数・年齢・建物費用など)がきちんと書かれているので、自身の希望条件に合わせた情報が得られ、分かりやすくて良いと思います。
2021/03/07
家づくりでInstagramはかなり参考にしたのですが、その方々の細かい家づくりの話などにはすごく興味があったので、まとめられていると助かります🥰
2021/03/02