土地

公開日 2019/04/24

更新日 2019/10/28

土地の権利、借地権と所有権の違い

土地の権利は大きく分けると「借地権」と「所有権」の2つがあります。

土地の入手は売買、譲渡、贈与などの権利をもつ「所有権」による取引がほとんどですが、中には土地を借りるという選択も。それが「借地権」です。
所有権に比べ借地権の取引件数はかなり少なく、複雑な制度もあるので、情報はしっかり集めておきましょう。

将来をちゃんと考えてどちらが自分に必要なものなのか考え、土地選びの参考にしてください。

所有権と借地権

所有権は、土地を「所有できる権利」、借地権は、土地を「借りる権利」です。

自分のものにできる所有権の方が資産価値が高く、土地を自由に扱えるのですが、初期費用や税金の問題などがあるので、自分のライフプランや予算に合わせて選択する必要があります。

自分の土地にする「所有権」

「所有権」とは、文字通り土地を所有する権利のことです。土地を購入し、建て替えも売買も自由にできます。
一般的に土地売買とはこの「所有権の売買」のことを指します。

また、土地の所有と同時に不動産取得税が課税され、毎年の固定資産税や都市計画税の支払い義務も発生します。

土地を借りる「借地権」

所有権に対し、「借地権」は地主から土地を借り、そこに自分の家などを建てる権利を得るものです。

土地を所有するわけではないので、所有権に比べ初期費用が安く、税金もかかりません。
その代わり、地代を毎月地主に支払わなければならず、土地取得時に金融機関から融資を受けにくいというデメリットもあります。

借地権はさらに分けられており、「地上権」と「賃借権」という2つの権利があります。
この2つは権利の強さに違いがあります。

地上権

地上権は所有者に承諾なく、その権利を譲渡、転賃できることが特徴です。
賃借権と比べて、強い権利を持つことができます。

このような強い権利を借りる側が持つことになるため、土地の所有者は不利な面が多く、実際に地上権はほとんど使われていません。

一般的に借地権のほとんどは賃借権です。

賃借権

賃借権は、譲渡、転賃、建物の建て替えが自由に行うことができず、それらの行為を行うときは所有権を持つ人に承諾を得なければなりません。また、その際に承諾料を払う必要があり、その額は概ねその土地を借りた時支払った権利金の3%から5%が一般的と言われています。

賃借権には、「普通借地権」、「定期借地権」という2つの種類があります。

「普通借地権」と「定期借地権」の違い

「普通借地権」とは、地主と借地人との間で30年間の土地の賃貸借契約を結び、期間満了後も契約更新ができる権利です。希望すればずっと住み続けられるので、土地を所有するのとさほど変わらない権利といえます。

一方の「定期借地権」には文字通り契約期間に定期があり、更新はできません。期間満了時には土地を更地に戻して地主へ返却する必要があります。

「旧法借地権(旧法)」から「新法借地権(新法)」へ

「旧法借地権(旧法)」は、戦後の経済的に不利な借地人を保護するために大正10年に制定されました。しかし旧法は土地を貸す側に不利なものだったため、平成4年に変更され、新しく「普通借地権」と「定期借地権」の二つが制定されました。これが「新法借地権(新法)」と呼ばれるものです。

新法は旧法に比べ、貸す側の立場も考慮されています。

それぞれのメリット・デメリット

所有権のもとに土地を取得すれば、その土地にどんな家を建てるのも売却するのも所有者の自由となります。取得にあたっては金融機関からの相応な融資も見込めますし、なにより資産としての価値が高いのが魅力です。

誰にとっても家は大きな財産です。しかし借地の上に家を建てるとなると、土地を伴わないため、財産であるはずの家に価値を見出しにくいと感じる人もいるようです。
特に定期借地権のように契約期間が決まっていて更新不可の場合、いずれは土地を返却する必要があります。

その分、初期費用の高さと各種納税の義務が大きなネックに。マイホーム入手を迷う人の多くは、この費用面で悩む傾向にあります。

所有権のメリット・デメリット

〇メリット

  • ・売却、譲渡、贈与など全ての権利を持つので、土地を自由に扱える
  • ・資産としての価値が高く評価されやすい
  • ・購入の際に銀行などからの融資を受けやすい
  • ・住み続けることに際して更新などの手続きが一切不要

〇デメリット

  • ・土地の登記や、税金が発生するので購入時の初期費用が高い
  • ・固定資産税を払い続ける必要がある

借地権のメリット・デメリット

〇メリット

  • ・初期費用が安い
  • ・「賃借権」であれば登記の必要が無い

〇デメリット

  • ・資産価値が低い(所有している場合の6~7割の価値とされることが多い)
  • ・「賃借権」であれば建替えなどに際して所有者の許可を得、承諾料を払う必要がある
  • ・毎月(または定期的に)地代を払う必要がある
  • ・一定期間ごとに契約更新する必要があり、都度更新料がかかる

資産価値重視なら「所有権」、初期費用を抑えるなら「借地権」

資産としての価値が高いのは、やはり土地を自分のものにできる「所有権」です。一方借地権には、資産価値は所有権に比べて劣るものの、初期費用の節約や税金がかからないという利点があります。

土地と建物を安く手に入れたい、予算の都合があるという場合には「借地権」のみを買うのも有効な手段です。

自分のライフプランや予算に合わせて土地の権利を柔軟に考えてみるのも、賢い選択といえるでしょう。

借地権は制度が複雑で融資を受けにくい

借地権の最大のメリットは、なんといっても初期費用の安さです。土地に対する保証金(または権利金)が発生するとはいえ、所有するよりは安価で手が伸ばしやすいという利点があります。

ただし金融機関からの担保評価が低く、融資が難しいという難点が。金融機関は融資を行う場合、その土地と建物を抵当権とすることが一般的だからです。
また毎月の地代や更新料、建て替え時の承諾料など、さまざまな費用・制約も発生します。

他人の土地の上に家を建てる借地権は担保評価が低く、金融機関から住宅ローン融資が受けられない可能性があります。
とは言え最近では融資をしてくれるところが増えているので、融資が必要な場合は前もって確認しておくといいでしょう。

売却しにくい、更新料が必要など、その他のデメリット

借地の場合その土地建物が不要になっても安易に売却できない可能性があります。
それが賃借権に基づく契約であれば、所有者の許可なしに建て替えも出来ませんし、土地を売却する権利は最初からありません。また決められた期間ごとに更新料が必要ですし、当然ですが借りているものなので地代を払い続ける必要もあります。

都心住まいも夢じゃない借地

土地価格の高い都心部での住宅購入は、費用面での負担が大きくなりがちです。しかし借地権であれば土地代が抑えられるため、低予算で検討できるようになります。
実際、借地権の取引が多いのも都心部です。これは地主側に「価値の高い土地を売却せずに活用したい」というニーズがあるから。借地権には貸す側にも借りる側にもメリットがあるのです。

借地権の特性を上手に活用すれば、都心部でのマイホーム購入も夢ではありません。自身のライフプランと照らし合わせ、後悔のない選択をしましょう。

合わせて知っておきたい豆知識

借地権の取引の際は、必ず借地契約書を確認

新法、旧法での違い

借地人と地主の双方の便宜を図るために制定された新法ですが、最初に旧法で契約された物件にはその後も旧法が適用され続けます。自動的に新法に切り替わるわけではないため、現在でも旧法の物件が数多く残っており、旧法と新法が混在している状態です。
借地権の取引を行う際は、土地の権利状態がどうなっているか借地契約書をよく確認しましょう。

より詳しく知る

住宅イベントで知識を得て情報網を広げる

所有権と借地権には、価格の差だけではなくさまざまなメリット・デメリットがあります。詳しく知るには、正しい知識や取引経験の豊富な専門家に相談するのが一番です。

土地の所有権と借地権に関する住宅イベントには、セミナーや勉強会のほか、現地見学会などもあります。自分に合ったイベントを探し、疑問点や不安を解消しておきましょう。

住宅イベントには地主向けと購入者向けがある

土地の所有権・借地権に関する住宅イベントには、これから住宅を入手しようという購入者向けのものと、既存の土地を有効活用しようという地主向けのものがあります。
基礎知識を学べるセミナーや勉強会には地主向けのものが多いのですが、ちゃんと購入者向けのものもあるので、開催の情報をきちんと調べ、見逃さないようにしましょう。

イベントを通じて会社の姿勢や力量を見極めよう

住宅イベントは知識を得るだけの場ではなく、主催する不動産会社や住宅会社の質を吟味する場でもあります。
特に土地の所有権・借地権のように複雑な制度を含む案件の場合、どこまで細かく丁寧に説明してくれるか、親身になって話を聞いてくれるかで、会社の姿勢や力量がわかるものです。信頼できる会社かどうかをしっかり見極めましょう。

参加者同士で情報交換するのも情報網を広げる手段のひとつ

自分と同じように土地の所有権・借地権について興味を持っているイベント参加者たちと情報交換するのも、有意義な方法です。不動産会社や住宅会社の担当と違い、営業的な含みを省いた話ができるので、より公正で客観的な情報が得られるでしょう。

借地権の売却や相続に際し損するリスクを防ごう

土地の売買や契約については、難しい言葉が多く、なかなか理解しにくいかと思います。金額が大きいこと、何十年というスパンで人生が左右されることから、慎重な決定が必要です。そんな時こそ、借地権のプロに相談することをおすすめします。法律や過去の実例などを踏まえ、起こりうるリスクを明確にしてそれを回避する方法を教えてくれます。

金銭面だけでなく、地主とのトラブルについても相談できる

相談できるのは契約に際する金銭のことだけではありません。土地の権利の問題では、平成4年に法律が変わったこともあり新旧の決まりが混在していますから、地主さんとのトラブルで困っているという方もおられます。例えば更新時期になったけれどその費用が払えない、と言った切実なお悩みにも適切なアドバイスをしてくれるでしょう。

取扱件数の少ない借地権の物件情報に敏感になろう

所有権の土地物件数に対し、借地権の土地物件はかなり少数です。そのため良い条件の物件が出ても、すぐに他で成約してしまうといったことが多々起こります。

物件情報を優先的に紹介してもらうには、不動産会社や住宅会社などにあらかじめ自分の希望を伝えておくのがベスト。信頼できる会社を見つけるためにも、住宅イベントを有効活用しましょう。

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