土地

公開日 2019/04/24

更新日 2019/10/09

土地の権利、借地権と所有権の違い

土地の権利は大きく分けると「借地権」と「所有権」の2つがあります。
土地の入手は売買、譲渡、贈与などの権利をもつ「所有権」による取引がほとんどですが、中には土地を借りるという選択も。それが「借地権」です。
所有権に比べ借地権の取引件数はかなり少なく、複雑な制度もあるので、情報はしっかり集めておきましょう。
将来をちゃんと考えてどちらが自分に必要なものなのか考え、土地選びの参考にしてください。

所有権は「土地の所有権利」、借地権は「土地を借りる権利」

所有権と借地権にはそれぞれ特徴があります。資産としての価値が高いのは、やはり土地を自分のものにできる「所有権」です。一方借地権には、資産価値は所有権に比べて劣るものの、初期費用の節約や税金がかからないという利点があります。
自分のライフプランや予算に合わせて土地の権利を柔軟に考えてみるのも、賢い選択といえるでしょう。

土地を購入し、建て替えも売買も自由にできる「所有権」

「所有権」とは、文字通り土地を所有する権利のことです。一般的に土地売買とはこの「所有権の売買」のことを指します。

所有者は土地を自由に売却できるだけでなく、贈与や相続する権利も得ます。ただし土地の所有と同時に不動産取得税が課税され、毎年の固定資産税や都市計画税の支払い義務も発生するため、借地権の土地よりコストが高めです。

借りて家を建てる「借地権」

土地を自分で所有する所有権に対し、「借地権」は地主から土地を借り、そこに自分の家などを建てる権利を得るものです。

土地を所有するわけではないので、所有権に比べ初期費用が安く、税金もかかりません。その代わり、地代を毎月地主に支払わなければならず、土地取得時に金融機関から融資を受けにくいというデメリットなどもあります。

総務省が発表した「住宅・土地早計調査(H25)」によると、持ち家世帯のうち土地が所有権のものは全体の約96%、借地権のものは約4%。実際にはあまり普及しておらず、認知度も高いとは言えません。しかしここ数年、住宅価格の高騰に伴い、低コストの借地権に注目が集まりつつあります。今後は徐々に借地権による住宅取得も増えていくでしょう。

それぞれのメリット・デメリット

所有権のもとに土地を取得すれば、その土地にどんな家を建てるのも売却するのも所有者の自由となります。取得にあたっては金融機関からの相応な融資も見込めますし、なにより資産としての価値が高いのが魅力です。

その分、初期費用の高さと各種納税の義務が大きなネックに。マイホーム入手を迷う人の多くは、この費用面で悩む傾向にあります。

コスパ抜群! でも制度が複雑で融資も受けにくい借地権

借地権の最大のメリットは、なんといっても初期費用の安さです。土地に対する保証金(または権利金)が発生するとはいえ、所有するよりは安価で手が伸ばしやすいという利点があります。

ただし金融機関からの担保評価が低く、融資が難しいという難点が。また毎月の地代や更新料、建て替え時の承諾料など、さまざまな費用・制約も発生します。

「所有」から「活用」への転換期を示す借地権

近年、カーシェアやシェアハウスなど「シェアリングエコノミー」という経済概念が注目されています。今はモノや場所、サービスなどのシェアが主流ですが、今後は土地にも適用されていくかもしれません。

そうなれば、高額な土地を個人で所有するだけでなく、借地権を活用して住宅を入手しやすくしようという傾向が今以上に強まっていくでしょう。

いつかは返却? 自分のものにならないという不安感

誰にとっても家は大きな財産です。しかし借地の上に家を建てるとなると、土地を伴わないため、財産であるはずの家に価値を見出しにくいと感じる人もいるようです。

特に定期借地権のように契約期間が決まっていて更新不可の場合、いずれは土地を返却する必要があるため、落ち着かない気持ちになるのも無理からぬ話といえます。

借地権では金融機関から住宅ローン融資を受けられない?

土地代の高い都心部で住宅入手を考える場合、初期費用の抑えられる借地権の物件は非常に魅力的です。しかし他人の土地の上に家を建てる借地権は担保評価が低く、金融機関から住宅ローン融資が受けられない可能性があります。

最近では借地権でも融資をしてくれるところが増えているので、融資が必要な場合は前もって確認しておくといいでしょう。

それでも都心住まいも夢じゃない借地、後悔のない選択を

借地には初期費用が安いという大きなメリットがある一方、さまざまなデメリットもあります。とはいえ何十年と長く住み続けられるのは確かですし、融資にも緩和の傾向が出てきています。

土地価格の高い都心部での住宅購入は、費用面での負担が大きくなりがちです。しかし借地権であれば土地代が抑えられるため、低予算で検討できるようになります。
実際、借地権の取引が多いのも都心部です。これは地主側に「価値の高い土地を売却せずに活用したい」というニーズがあるから。借地権には貸す側にも借りる側にもメリットがあるのです。

借地権の特性を上手に活用すれば、都心部でのマイホーム購入も夢ではありません。自身のライフプランと照らし合わせ、後悔のない選択をしましょう。

借地権の「権利」は細分化されている

借地権は細分化され種類がいくつかあります。
「〜権」の中にまた「〜権と〜権があって・・・」という感じで少し難しい事なのですが、知っておいて損はありません。借地で家づくりを考えるなら、しっかり勉強していきましょう。

「旧借地権」「普通借地権」「定期借地権」の3種類を知ろう

土地の権利には所有権と借地権があります。所有権は土地を自分のものとして所有する権利ですが、借地権は土地を所有せずに借りる権利のことです。

この借地権は「借地借家法」によって細分化されており、中でも主要となるのが「旧法借地権」「普通借地権」「定期借地権」の3種類。この3種類が借地権を理解するうえでの重要ポイントとなります。

「旧法借地権(旧法)」から「新法借地権(新法)」へ

「旧法借地権(旧法)」は、戦後の経済的に不利な借地人を保護するために大正10年に制定されました。しかし旧法は土地を貸す側に不利なものだったため、平成4年に変更され、新しく「普通借地権」と「定期借地権」の二つが制定されました。これが「新法借地権(新法)」と呼ばれるものです。

新法は旧法に比べ、貸す側の立場も考慮されています。

把握しておきたい「普通借地権」と「定期借地権」の違い

「普通借地権」とは、地主と借地人との間で30年間の土地の賃貸借契約を結び、期間満了後も契約更新ができる権利です。希望すればずっと住み続けられるので、土地を所有するのとさほど変わらない権利といえます。

一方の「定期借地権」には文字通り契約期間に定期があり、更新はできません。期間満了時には土地を更地に戻して地主へ返却する必要があります。

合わせて知っておきたい豆知識

借地権の取引の際は、必ず借地契約書を確認

新法、旧法での違い

借地人と地主の双方の便宜を図るために制定された新法ですが、最初に旧法で契約された物件にはその後も旧法が適用され続けます。自動的に新法に切り替わるわけではないため、現在でも旧法の物件が数多く残っており、旧法と新法が混在している状態です。
借地権の取引を行う際は、土地の権利状態がどうなっているか借地契約書をよく確認しましょう。

より詳しく知る

取扱件数の少ない借地権の物件情報に敏感になろう

所有権の土地物件数に対し、借地権の土地物件はかなり少数です。そのため良い条件の物件が出ても、すぐに他で成約してしまうといったことが多々起こります。

物件情報を優先的に紹介してもらうには、不動産会社や住宅会社などにあらかじめ自分の希望を伝えておくのがベスト。信頼できる会社を見つけるためにも、住宅イベントを有効活用しましょう。

住宅イベントで知識を得て情報網を広げる

所有権と借地権には、価格の差だけではなくさまざまなメリット・デメリットがあります。詳しく知るには、正しい知識や取引経験の豊富な専門家に相談するのが一番です。

土地の所有権と借地権に関する住宅イベントには、セミナーや勉強会のほか、現地見学会などもあります。自分に合ったイベントを探し、疑問点や不安を解消しておきましょう。

住宅イベントには地主向けと購入者向けがある

土地の所有権・借地権に関する住宅イベントには、これから住宅を入手しようという購入者向けのものと、既存の土地を有効活用しようという地主向けのものがあります。
基礎知識を学べるセミナーや勉強会には地主向けのものが多いのですが、ちゃんと購入者向けのものもあるので、開催の情報をきちんと調べ、見逃さないようにしましょう。

イベントを通じて会社の姿勢や力量を見極めよう

住宅イベントは知識を得るだけの場ではなく、主催する不動産会社や住宅会社の質を吟味する場でもあります。
特に土地の所有権・借地権のように複雑な制度を含む案件の場合、どこまで細かく丁寧に説明してくれるか、親身になって話を聞いてくれるかで、会社の姿勢や力量がわかるものです。信頼できる会社かどうかをしっかり見極めましょう。

参加者同士で情報交換するのも情報網を広げる手段のひとつ

自分と同じように土地の所有権・借地権について興味を持っているイベント参加者たちと情報交換するのも、有意義な方法です。不動産会社や住宅会社の担当と違い、営業的な含みを省いた話ができるので、より公正で客観的な情報が得られるでしょう。

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