環境と住宅

公開日 2019/04/23

更新日 2019/10/23

ZEH(ゼッチ)とは?省エネ住宅はいいことばかりか徹底分析

ZEH(ゼッチ)とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、住まいの年間一次エネルギー消費量がおおむねゼロになる家を指します。省エネ住宅、創エネ住宅などとも言われます。
高い断熱性や気密性による省エネ機能と、太陽光発電などによる創エネ機能を組み合わせ、日々の生活に必要なエネルギーを自給自足するというもので、国が普及を進めているエコロジー住宅です

ZEHでエネルギーを自給自足し、一年中快適に生活

ZEHは高い断熱性能をベースに、高効率機器やHEMS(家庭内エネルギー管理システム)による省エネ、太陽光発電などによる創エネといった要素を組み合わせ、エネルギーを自給自足するエコ住宅です。
一年を通じて少ないエネルギー量で室内環境を快適に保つため、光熱費の節約に大いに役立ちます。また家全体を適温に保つ効果によって、冬場のヒートショックの防止など、住む人の体にも優しいといわれています。

ZEHに期待されるエネルギー問題改善

ZEH推進の背景には、日本のCO2排出量削減と、エネルギー自給率アップという2つの目的があります。

2015年に発効されたパリ協定で、日本は地球温暖化を防ぐため、2030年までにCO2など温室効果ガスの排出量の26%削減を目標としました(2013年比)。この達成のために住宅分野で取り組み始めた施策のひとつがZEHなのです。
ZEHが普及することでエネルギー消費量の大幅削減が見込まれています。

日本のエネルギー自給率をあげる

日本はエネルギー自給率が先進国の中でも非常に低く、国内で消費しているエネルギー資源のほとんどを輸入に頼っています。

しかし世間では東日本大震災をきっかけに、原子力や火力に頼らないエネルギー供給や、自分たちでエネルギーをつくり出すといった創エネへの関心が高まりました。こうした背景もZEHの普及を後押ししています

室内熱中症や冬のヒートショックも防ぐZEHの家

古い造りの家だと、気密性の低さによって外気の影響が室内にも及ぶため、冬場のヒートショックや夏の室内熱中症を引き起こす恐れがあります。小さなお子さんや高齢者が家族にいる場合は特に注意が必要です。

気密性が高く省エネにも有効なZEHの家は、一年中快適な室内環境を保ち、住む人の健康も守ってくれます。そのため家づくりの選択肢として注目されているのです。

鍵は高気密・高断熱と自然エネルギー

太陽光発電による創エネだけで、すべての家庭エネルギーを補うのはまだ難しい問題です。
そのため、エネルギー消費量を減らす省エネが特に重要になります。

ZEHが実現する省エネのポイントは、住宅の気密性と断熱性。
高気密で高断熱な家は室内から外に漏れる熱、外から室内に入り込む熱が少なく、気候に左右されず室内の温度を快適に保てます。
冷暖房に頼り切らずに過ごせるため、無駄なエネルギー消費を抑えつつ夏は涼しく冬は暖かいというように、健康にも良い生活ができます。

省エネで気密性や断熱性と同じくらい大切なのが、太陽や風の力を生かす「パッシブデザイン」という設計手法です。これはエアコンや照明といった機械設備だけでなく、自然エネルギー(太陽の光や熱、風)を効果的に使い、快適に生活できるデザインを指します。

ZEHはこの設計と創エネ機能を組み合わせた、住む人にも環境にも優しい新しい住まいなのです。

2020年には新築戸建の50%がZEHに

経済産業省は、2020年までにハウスメーカー、工務店などが建築する注文戸建住宅の「過半数でZEHの実現」を目標に掲げました。数年後にはゼロエネルギー住宅が「新築戸建て住宅の標準」になろうとしています。

ZEHには補助金が出るだけでなく、光熱費の節約などランニングコストを抑える効果もあるので、今後ますます需要が伸びていくでしょう。

ZEHのメリット・デメリット

ZEH には光熱費の節約や補助金の交付などメリットがたくさんありますが、建築にあたってはさまざまな制約も発生します。ZEHのメリット・デメリットをしっかり押さえておきましょう。

光熱費の節約と補助金制度が大きな魅力

住まいの年間一次エネルギー消費量をおおむねゼロにする目的で作られるZEHには、太陽光発電などによる「創エネ」機能が備わっているため、家庭で消費する光熱費を節約できるというメリットがあります。

加えてZEHの普及促進を目的とした補助金も用意されているので、導入を考えている人にとっては大きな後押しとなりうるでしょう。

設備費、メンテナンス代など、一般住宅よりコストが増える

ZEHは3つの基準をクリアしなければなりません。

  • 高断熱化
  • 設備の高効率化
  • 創エネ設備の設置

これらをクリアしなければならないため、どうしても初期費用が高くなります。
加えて設備機器の定期的なメンテナンス代などもあるので、一般的な住宅よりコスト増なのは確かです。

諸費用と長い目で見たときの利益の計算は、ZEHを導入するにあたって最も重要なポイントといえます。

太陽光発電は売電収入ではなく自給自足の観点で見る

一般的な住宅よりもコスト増なZEHですが、実のところ太陽光発電などの設備費はここ数年でだいぶ下がっています。それでいて性能は上がっているので、導入しやすくなっているのは確かです。

ただし余った電気の売電価格は年々下がっています。そのため売電収入に期待するよりは、電気の自給自足という点での満足度を求めたほうがいいでしょう。

ZEHの家にはさまざまな制約があることを理解しよう

ZEHには建築にあたってさまざまな制約が発生します。たとえば大きな窓や玄関は気密性の確保という点で不向きとなり、太陽光発電パネルの設置には屋根の大きさや角度も考慮しなければなりません。これは注文で建てる場合だけでなく、建売住宅にも適用されます。

大きな窓から外の景色を眺めたい、といった希望がある場合にはそれを叶えることが難しくなってきます。それでもすぐにあきらめないでください。会社によってはしっかり希望にそったプランニングをたててくれるところがあるので、住宅会社に相談しましょう。

ランニングコストの把握がZEHの満足度を左右する

太陽光パネルや蓄電池などさまざまな設備を要するZEHには、住宅入手後にも定期的なメンテナンスをはじめとした維持費がかかります。この維持費をきちんと把握し、初期費用や省エネ節約分とのバランスがとれるかで、ZEHの満足度は大きく変わります。

ZEHに必要な費用面、特に維持費について理解しておくことは必須です。

合わせて知っておきたい豆知識

ZEH普及に向けた各種優遇制度も要チェック

ZEHの税制優遇

ZEH普及に向けた取り組みとして補助金の交付、また上位条件に適合した場合は税制優遇の制度も設けられています。

補助金などを受けるには条件がありますが、ZEHの導入を検討するのに好材料であることは確かです。初期費用の高いZEHにとって補助金の有無は大きな判断材料です。導入するなら補助金制度のあるうちと考えておくのが得策といえます。

国はZEHに対し補助金を出していますが、補助金事業には予算額が定められているため、需要が多ければ年度途中でも受付終了になる場合があります。また、年度が替わると補助金制度そのものが終わってしまう可能性も。

公募情報はサイトで確認できるので、確認しておきましょう。
SII:一般社団法人 環境共創イニシアチブ|公募情報(平成31年度 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを活用したレジリエンス強化事業費補助金)

補助金狙いなら建売での購入が有利?

ZEHには2018年(平成30年度)も国の補助金制度が適用されることになりました。ただし補助金には予算が決められているため、年度内であっても上限額に達すれば募集が打ち切られてしまいます。
注文住宅の場合はどうしても家が建つまでに時間がかかるため、確実にZEH補助金を得るのならば建売での購入も検討してみるといいでしょう。

より詳しく知る

まずは「ZEH認定ビルダー」を探そう

ZEHとして認定されるためには、SII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)に「ZEH認定ビルダー」として登録されている工務店やハウスメーカーが建築、または販売した家である必要があります。

登録されている会社かどうか確認するには、

SIIのホームページで検索
ZEHビルダー/プランナー一覧

もしくは、各社とも自社サイトにZEH普及目標を記載しているので、それらを見て確認するのもいいでしょう。

設備、費用、省エネ効果など、ZEHに関する情報には難しく複雑なものが多いため、個人で理解するには時間と労力を要します。また、補助金のように公的制度の利用に際してもビルダーの協力なしには進みません。

ZEHについて正しく理解するには、セミナーや勉強会、見学会などを活用し、プロによる的確なアドバイスを得るのが確実な方法といえます。

住宅イベントに参加する際はZEHビルダーが主催するものにエントリーし、家の構造や省エネ設備、補助金などについて詳しく教えてもらいましょう。

埼玉県でZEH仕様の家が建てられる人気ハウスメーカー・工務店

建売と注文住宅の違いを知る

ZEHには大きく分けて、注文住宅として建てられたものと、ビルダーによってあらかじめ企画・設計された建売住宅との2つがあります。どちらにも機能性や居住性などに特徴があるため、人によって家の持つ魅力も違って見えるはずです。

見学会に参加するのであれば建売と注文の両方、それもなるべくいろいろな家を見て参考にすることをおすすめします。

さまざまな機能を併せ持つZEHを知識だけで理解するのは大変です。だからといって家を見るだけでは、ZEHの本当の機能や役割を把握しきれません。

住宅イベントを利用してZEHを知るには、まずZEHについての基本的な情報を勉強会やセミナーで学び、平行して見学会で実際に体験、そして相談会で細かい疑問点などを洗い出すといった流れがベストです。

実際にZEHで暮らしている人の感想を聞こう

見学会のほとんどは、ビルダーが持つモデルハウスや建売の新築物件を見るといった内容です。ただ、中には「実際にZEHで建てた人の家に伺う」という企画もあります。

これはZEHに関するリアルな体験談を聞けるチャンス。費用や機能についてだけでなく、将来性も含めてZEHのさまざまな情報を得られるので、積極的に参加してみるといいでしょう。

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